年末調整が必要な4つの理由

なぜ年末に所得を調整する必要があるのか、主なポイントを4つにまとめました。

(1)源泉徴収税額表ではボーナスを5カ月分として計算している

源泉徴収が行われる際に使用されている「源泉徴収税額表」では、賞与が年間5カ月分であるとして計算されています。実際に支給された賞与が年間で5カ月分ぴったりでなければ、調整が必要となります。

(2)月々の給与額は変わらないものとして計算されている

「源泉徴収税額表」は、1年間を通して、給料の額に変動がないものとして計算されています。しかし、実際には残業や休日出勤で時間外手当が発生するなど、月によって変動している場合がほとんどです。

(3)年の途中で家族の構成が変わると……?

控除対象となる配偶者や扶養家族が増えた場合は、「扶養控除等(異動)申告書」に記して会社に提出を。

家族の構成によって、所得税額は変わります。1年の途中で、結婚、家族が死亡するなどの理由により、後述する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」において配偶者の有無や扶養親族の構成が変わった場合、新たな所得税額が適用されます。

例えば、結婚した相手が控除対象配偶者に該当すれば、所得控除が受けられます。逆に、扶養に入れていた親族が、年末になりその対象外と分かるようなケースでは、仮の源泉所得税額より本来納めるべき所得税の方が高く、その差額を年末調整の不足額として払わなければいけない場合があります。

また年の途中で、控除対象となる配偶者や扶養家族が増えた場合、月単位ではなく年単位での控除が受けられます。変動があった場合は、「扶養控除等(異動)申告書」に記して勤務先に提出しましょう。

(4)年末調整でしか受けられない所得控除がある

所得から控除できる項目には、毎月の源泉徴収段階では控除されないものがあります。例えば、配偶者特別控除や生命保険料控除、地震保険料控除のような所得控除、住宅ローン控除などです。給与から天引きによって源泉徴収されている所得税額には、上記のような控除などが反映されていません。年末に会社にこれらの書類を提出し、控除を受けます。