義務はないのに、教師は休日も指導
以上は平均値ですが、部活指導時間の分布をみると、日本の特異性がもっとはっきりします。図2をご覧ください。
日本の部活指導時間の平均値は週7.7時間ですが、4割近くの教員が週10時間以上で、週20時間(1日4時間)以上の教員も1割弱います。こうした過重な負担を負わされているのは、多くが若手です。
対してスウェーデンでは、8割以上の教員が課外活動指導にほぼノータッチです。日本でいう部活が「外部化」されているためですが、この違いはスゴイ。日本の学校の日常風景は普遍的ではなく、むしろ特異であることを思い知らされます。
先に書いたように、部活は授業ではなく課外活動ですので、教員免許を持つ教員が指導に当たる必要はありません。しかし日本では教員がそれを負わされており、長時間労働の原因となっています。
そこで、部活の指導や引率を単独で行える「部活動指導員」というスタッフを、学校に導入することとなりました(中央教育審議会答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」2015年12月)。部活指導の重荷から教員を解放し、本分の授業に集中できるようにする上でも、意義あることといえましょう。