「なぜ、続けられないか」根本的に考えてみる

どんなことを習慣化したいですか? そう質問すると、皆さん答えます。

早起き、ダイエット、片づけ、勉強、禁煙……。数限りなく答えは出てきますが、多くの人はそれらを実行する前から「続かない」「やめられない」と苦手意識を持ってしまうことが目立ちます。

私たちの脳の本能には「習慣化しようとする機能」が備わっており、「続ける」ことは自然なことなのです。ところが、その習慣化への取り組みが不自然であるため、「続ける」機能が軌道にのらないのです。

米・デューク大学のある研究に、「人間の40%は習慣でできている」という結果報告があります。私が先に述べた、脳の中にある「習慣化機能」とは、「いつも通りのパターンを繰り返す」という仕組みのこと。

朝起きて寝るまでの間の行動パターンは、人によって異なるものの、ある程度パターン化され、同じことを繰り返しているはずです。

たとえば、通勤ルート、朝の過ごし方、家を出る時間、電車に乗る時間、会社に着く時間、最初に行なうメールチェック、昼食のお店のパターン、帰りに寄るコンビニ、家に帰ってテレビを見て、風呂に入ってスマホを見て寝る……。

というような日々の行動パターンは、ほぼ無意識下のものです。改めて考えれば、ロボットのような規則性です。同じ行動を毎日繰り返しているのです。

習慣化は、脳の無意識領域に行動や思考を覚えさせることで「いつも通り」のパターンを自動化させるプロセスです。

実は私たちがしっかり意識で行動することは、それほど多くはありません。だから、無意識的に習慣化して理性的に考えなくてもいいように習慣化するのです。

私たちにはそうした自然な習慣化機能が備わっているのですが、不自然に習慣化しようとして失敗するケースがあとをたちません。代表的な3つのケースを見ていきましょう。これを見て反面教師とすることで、自然に習慣化するためのヒントが得られるかもしれません。