知識偏重型の学力では、グローバル時代は生き抜けない。わかっちゃいるけど、どうすればいい? 各界の最前線で活躍する3人の先輩に、そのヒントをいただいた。

疲れた高座明けもロビーでファンと握手する理由

「僕にできることはなんだろう?」「誰かが喜ぶことはすべてやろう」――。

林家たい平さん

テレビ界屈指の長寿番組「笑点」でおなじみの林家たい平さんの“想い”は、常にそこにある。高座に上がっている時だけではない。

たとえば地方へ行きますよね。2時間の独演会が終われば、楽屋でコーヒーでも飲みながらホッと一息つきたい。でも、お客さまには、時間とお金をかけて足を運んでいただいているわけです。その方たちに少しでも喜んでもらうために何ができるだろうと思うんです。会場の出口に立って握手もしますし、「おばあちゃん、元気でね」なんて声をかけて見送ります。すると「一生の思い出になったよ」と、こっちが勇気づけられる言葉をいただいちゃって。

たい平さんが落語界の大御所たちからも、落語ファンからも、そしてお茶の間からも愛されている理由は、こんなところにあるのかもしれない。どうして、これだけのサービス精神が身に付いたのだろうか。

家がテーラーメイドの洋服店を営んでいたので、両親の姿を間近で見られたのが、いい経験になっています。母は人と接するのが大好きで、お客さんや近所の人と、いつもニコニコと話をしていました。相手の表情にも笑顔が広がるわけです。夕食どきになると「うちでご飯食べていったら?」とよく声をかけていましたね。近所のアパートに住む独身のお兄さんたちもしょっちゅう夕食を食べにきていた。