2016年1月24日(日)

医療のお仕事ハローワーク図鑑【2】

PRESIDENT 2014年12月29日号

著者
オバタ カズユキ おばた・かずゆき
コラムニスト

オバタ カズユキ1964年、東京都生まれ。上智大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。著書は『何のために働くか』(幻冬舎文庫』などのほか、年刊シリーズに『会社図鑑!』『大学図鑑!』『資格図鑑!』(ダイヤモンド社・年度によっては共著)がある。新刊は『大手を蹴った若者が集まる知る人ぞ知る会社』(朝日新聞出版)。twitter:@obatakazu1

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コラムニスト オバタカズユキ
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病院でお世話になるあのお仕事はどんな働き方をしているのか。大きな反響を呼んだ『資格図鑑!』の著者が患者からはわからなかった彼ら彼女らの本音に迫る。これを読めば、医者を見る目が違ってくる!?

「寝たきりカーブ」で不満は尽きない

医師と同等かそれ以上に人不足が叫ばれている看護師。この職に昔ながらの「3K」イメージを抱く人は多い。当の看護師もそれに頷くどころか、「うちらは5Kだよね」「7Kよ」「いや、9K」と自虐的に言ったりもする。

きつい、汚い、危険、に加えて、給料が安い、休暇が少ない、薬(眠剤や安定剤)に頼る、婚期が遅れる、子供を産めない、過酷、孤独……といった不満要素が、たしかに本人たちの口から飛び出しがちなのだ。

では、看護師はまるで地獄のような職場で働き、廃人まっしぐらのような人生を送っているのだろうか。

もちろん、そんなことはない。そこまでネガティブ尽くしだったら、看護師・准看護師・保健師・助産師の看護職員就業者数が154万人(2012年時・以下同)も実在するわけがない。小中高の教員数すべてを合わせて91万人。対してこちらは、いわゆる正看護師だけでも107万人が働いている巨大な職業集団だ。その仕事に「K」を超える魅力がなければおかしいのだ。

人不足で忙しい現場が多いのだからきついのは当然。患者のシモの世話を汚いと嫌うようでは職業適性なし。人の命と向き合う仕事に危険はつきもの。というように、実際の看護師は「3Kだけれど、そこを嘆いているようでは、専門職として話にならない」と腹を括って働いている。彼女ら、彼らの大半は、その程度の問題でへこたれないだけの訓練を受けている。

ただ、「給料が安い」点に関しては、どうしても愚痴りたくなる人が少なくないようだ。世間的には「看護師は大変な仕事だけど、給料は高い」という見方もあるが、高賃金の医師の横で働いている身としてはそう思えない。

看護師の給与は基本的に、高めの初任給からスタートする。が、昇給はゆっくり。伸び方が緩やかすぎるので、勤務年数に対する昇給具合を表すグラフ曲線は「寝たきりカーブ」と呼ばれたりしている。

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