飼い主が死んだら、愛犬はどうなる?

犬やネコなど、ペットを飼っているという家庭が年々増えています。

「子はかすがい」と言いますが、子どもが独立した後、ペットがかすがいになっているという夫婦や、ペットをわが子のように可愛がっている方も少なくありません。

そのようなペット好きの方の悩みで多いのが、「ペットより先に私が死んだら、誰がペットの世話をしてくれるの?」というもの。

最近は、ペットも高齢化しているということはご存知でしょうか。良質なペットフードの普及や動物医療の向上によって、犬、ネコの平均寿命も延びています。

そうなると、飼い主である自分の方がペットよりも先に亡くなってしまうということも、ままあることなのです。

『もしもの時に安心! エンディングノート』(監修・武内優宏、プレジデント社刊)

自分が先に亡くなってしまったら、ペットを世話してくれる人がいなくなってしまうと不安に思う気持ちも分かります。

そのような方から、私が先に死んだらペットが可哀想なので、財産はペットに残したいと相談を受けることがありますが、そのようなことはできるのでしょうか。

まず、飼い主が死んだら、ペットはどのように扱われるのでしょうか。

大原則としてペットは生き物ですが、法律上はただの動産として扱われます。日本においては、動物は権利の主体になれないので、飼い主の財産をペットに残すということはできません。

その結果、法律上は、ペットも、時計や指輪などと同じように動産として相続の対象になってしまいます(※実際に遺産分割協議でペットが問題になるケースは極めて稀です)。

ということは、亡くなった飼い主に相続人がいれば、相続人がペットの所有権を取得することになります。

しかし、「相続人がいない」「相続人はいるけど犬は飼えない」などといった事情で、自分が死んだ後はペットの世話を誰かに依頼したいというケースもあります。