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「新築偏重」が続いてきた住宅市場

新築住宅需要が頭打ちのなか、中古住宅市場が脚光を浴びている。政府、与党・自民党が政策面で中古住宅流通を後押しする動きを本格化する一方、民間側はこれを先取りし、中古住宅の流通促進に本腰を入れ出した。官民が足並みを揃えた「フローからストック」への流れは、「新築偏重」が続いてきた日本の住宅市場に風穴を開けられるか……。

日本の住宅市場は、新築と中古を合わせた流通全体に占める中古の割合は14.7%(2013年時点)に過ぎない。米国の89.3%(10年時点)をはじめ欧州諸国が70%超なのと比べ、極めて低い水準だ。背景には、経済効果が高い新築を促す住宅政策にあった点は否めない。

一方、不動産仲介の商慣習も中古住宅の流通を大きく阻害してきた。中古住宅の資産価値を査定する基準は明確でなく、一般的に築20年を超えた住宅は、その劣化度合にかかわらず査定額がゼロとされる。さらに、不動産仲介業は中古住宅の売却価格を建物と土地の価格を一括りとする「総額表示」が慣わしで、築20年を超えた場合、住宅部分の資産価値はなく、土地だけの価格で取引されるケースが圧倒的だ。

このため、売り手はリフォームで品質を維持してきたにもかかわらず、泣き寝入りするよりなかった。この結果、売りたくても買い手が付かない中古住宅は、日本の住宅総数の7戸に1戸の割合で住居人のいない「空き家問題」の一因にもなっていた。

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