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月収16万円前後。夫と離婚後、パン屋のパートで高学歴3兄弟を育てた母がいる。賢い子が育つやりくり法とは?

養育費の代わりに学費をもらう

長男は早稲田大学大学院修了。5歳違いの双子の次男と三男は東京大学から同大学大学院へ。山下家の3兄弟は、誰もが羨むほど秀才揃いだ。

母の陽子さんはそんな子供たちを女手一つで育て上げたシングルマザー。

(真ん中)母 山下陽子さん(左)次男 雅宏さん(右)三男 貴宏さん

「銀行員の元夫は子供の教育に熱心な半面、理不尽なことを家族に強要する人でした。長男が小6の夏休みに、突然、中学受験をさせると言い出しました。おまけに塾代は出さず『勉強はおまえが教えろ』と、参考書を買ってきて……」

長男を不憫に思った陽子さんは、小6の秋からでも受け入れてくれる塾を探した。塾費用は約70万円。陽子さんが結婚前に貯めていた貯金を下ろした。

「遅すぎるスタートでしたから、結果は不合格。そうしたら『なぜ受からない』と子供を責める。下の2人にも同じ調子で、このままでは子供がダメになってしまうと、離婚を決意したんです」

兄弟3人を連れて家を出たのは、双子の子供たちが小学校5年生のとき。離婚にあたっては弁護士を立て、財産分与の500万円を受け取ったが、養育費はなし。代わりに、子供たちが高校・大学に進学した際の授業料を負担してもらうことで決着した。

「授業料は国公立が前提でしたが、まぁ、それでも大学は出してやれるかなと。先々、きちんと払ってもらえるように子供たちとの面会はあえて制限せず、パソコンなどの高い物は子供たちが元夫に買ってもらって。離婚の際には弁護士費用がかかりましたが、結果として頼んでよかったですね」

一家4人の生活を支えるために、陽子さんが選んだ仕事はパン屋でのパートだ。

「事務職の正社員のほうが収入がいいことはわかっていたけれど、パートなら子供たちを送り出してから出勤できるし、残業もない。子供たちは多感な時期でしたから、少しでも一緒にいてやれる仕事を選びました」

料理好きの陽子さんにとってパン屋は忙しくても楽しい職場だ。1日中デスクに向かっているよりもストレスが溜まりにくく、子育てにもよい影響があると考えたのである。

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