今注文しても納車は来年に

「これほど試乗希望者が多いと思いませんでした。特に土日は事前に予約をいただかないと、試乗することは難しくなっています。平日でも数時間待っていただくことがあります。こんなことは今まで経験したことがありません」

2人乗り軽自動車オープンスポーツカー「S660」。

こう話すのは都内のホンダカーズ関係者だ。ホンダは4月2日、軽自動車のスポーツカー「S660」を発売、その試乗目当てに毎日多くのお客がやってくるそうだ。そして、見せてくれたスケジュール表には30分ごとに区切られたマス目にびっしりと試乗希望者の名前が書かれていた。そのため、クルマを見るのにも予約が必要な状態で、筆者が平日に訪れたときには「4時間後ならクルマをじっくり見ることができる」とのことだった。

ホンダの全販売店がそんな状況かというと、そうではない。実はS660は生産台数が1日40台と少ないため、一部の販売店にしか配車されていないのだ。それも1台だけ。そのため、S660がある販売店に試乗希望者が殺到し、クルマをなかなか見ることさえできなくなっているわけだ。

もちろん受注も好調だ。発売前の事前受注で3000台に達し、発売後はさらに加速しているそうで、「今注文しても、年内に納車するのは難しい状況で、お客様には来年になると説明しています」と前出のホンダカーズ関係者は話す。

その“S660効果”は置いていない販売店にも出ており、発売前よりは訪れるお客の数が増えているという。そして、店員の一人は「これからなんとか盛り返していきたい」と話し、ホンダらしいS660の出現に喜んでいた。