菩提寺が地方や郊外にあって足が遠のき、先祖の供養ができない。お墓を探しているが条件に合う墓地や霊園が見つからない。「三田霊廟」はそんな方々の悩みを解決する納骨堂である。

都会の喧騒を忘れる
厳かで品格ある参拝室

参拝室は厳かで洗練された「祈りの空間」。柔らかな間接照明の中、杉木立を思わせる木製のルーバーで仕切られ、1基ずつ独立した参拝スペースでは、周囲を気にせず、心おきなくお参りすることができる。

都内の一等地、港区三田に誕生した三田霊廟は閑静な町並みの中にある。三田通りに面し、近隣に慶應義塾大学三田キャンパスやイタリア大使館ほか、三井倶楽部など歴史的建造物も多い。

エントランスを抜けると、廊下、参拝室までの空間には木のルーバーが連なっている。ここに柔らかな間接照明が加わり、厳かで落ち着いた上質な「祈りの空間」が演出されている。これは世界遺産・高野山の杉木立を思わせる配慮からだという。

左/高級な黒御影が使われた墓石。新鮮な生花とお線香が絶えず供えられている。参拝者が用意する必要がなく、気軽に参拝できる。右/建物は最新の基準をクリアした耐震設計。大切なご遺骨は、豊田自動織機の最新自動搬送システムで厳重に守られている。

三田霊廟を管理する三田高野山弘法寺龍生院副住職・髙木秀芳氏は「本道や参拝室の設計・デザインはもちろん、細部の設えにも気を配りました」と語る。

納められたご遺骨はカードをかざせば40秒ほどで参拝室に自動搬送。墓石には高級御影石が使用され、1基ずつ区切られた充分な広さを備えた参拝ブースで周りを気にせず、心おきなく先祖をお参りすることができる。

すでに購入された方によれば、格式があり最新設備の整う参拝室は評価が高いという。

新しさと伝統が融合
由緒ある最新の納骨堂

三田霊廟の発祥は龍生院である。明治24年頃に三田に移って以来、地域の人々に親しまれてきた古刹である。一方で「都会にある寺院として人々のお墓の需要に応えたいという思いももちろんあるのですが、常々先祖と縁遠い現在のライフスタイルについて大変心苦しく、私にできることがあればと考えておりました」(髙木氏)

お墓のことで後継ぎに負担をかけたくないという気持ちからか、生前に自分でお墓を用意するものの、継承を前提と考えない傾向も多いといわれる。しかし都内でお墓を購入すれば平均300万~400万円はかかる。公営墓地は不足し、抽選は当たり前の世界だ。

そうした人々のお墓の悩みに対して出された古刹からの答えが、永代使用料を120万円とする最新自動搬送式の納骨堂「三田霊廟」の建立だったのだ。