2015年2月25日(水)

「20年後の65歳」に必要な貯蓄額

PRESIDENT 2013年10月14日号

著者
藤川 太 ふじかわ・ふとし
ファイナンシャルプランナー

藤川 太

1968年、山口県生まれ。ファイナンシャルプランナー。東京、大阪、名古屋に拠点を持つ「家計の見直し相談センター」の看板相談員。教育費と老後資金の危機を憂える著書『サラリーマンは2度破産する』(朝日新書)や『1億円貯める人のお金の習慣』(PHP研究所)が好評。

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家計の見直し相談センター 藤川 太
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65歳になったときに少なくとも必要な貯蓄額とは

65歳の定年時にいくらの貯蓄があったら安心か、現在45歳のビジネスマンの世帯を前提に試算したのが図の計算式。65歳の定年後は毎月の年金収入で平均余命まで暮らすことを前提に、税金や社会保険料の支払い、総務省の「家計調査年報」に基づいた各年代の消費支出などで足りない分を補うための固めの数字を示した。しかし、子どもの進学などで物入りの時期を迎えたりで、「これだけ貯蓄ができるのか」と不安に思う人がいるはずだ。

有利な条件の住宅ローンへの借り換え、生命保険の見直しなど、日々の生活にかかわる固定費を下げることで、貯蓄に回すお金を捻出する方法は確かにある。しかし、消費税のアップが必至ななか、そうしたやりくりもどこかで限界を迎える。

いま一番必要なことは自分たちのライフスタイルを見直し、意識の転換を行っていくことである。たとえば、時間を潰すために、喫茶店に入ってコーヒーを飲んだり、買い物をしたりすることが当たり前になってはいないだろうか。また、家族の団欒というと、東京ディズニーランドなどのテーマパークに行ったり、レストランに行って食事を楽しんだりしていないか。

これらに共通しているのは、どれもお金を遣うことで自分の満足感や幸福感を得ようとしている点だ。時間を潰すのなら、駅のベンチで本を読んで済ませられる。家族の団欒ならリビングルームに集まって借りてきたDVDを皆で楽しめば安上がりで済むし、余分な光熱費もカットできる。実はこうした生活は、イギリスをはじめ欧州各国では当たり前なのだ。

年金生活に入ってからライフスタイルを変えようとしても、40年近く続けてきた楽しみを絶つのは並大抵なことではない。いまから10年、20年かけて徐々に意識を変革し、日々の生活スタイルも変えていくしかない。年金で十分に賄える低コスト生活が身に付けば、何も慌てて貯蓄をする必要もなくなるのだ。

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