2015年1月19日(月)

出身大学で人生の幸福度が決まるか

PRESIDENT Online スペシャル

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

ジャーナリスト 溝上憲文=文
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大学は昇進・昇格には影響しない

出身大学は入社後の昇進・昇格に影響を与えるのか。結論を先に言えば「ノー」である。もちろん、採用には大きく影響する。その理由は「同じ大学の先輩社員が活躍している人が多いので、彼(彼女)も活躍してくれるだろう」と期待して採用するのだ。これを「実績校主義」と呼ぶが、大企業には色濃く残っている。

しかし、入社後は別である。総合商社の人事担当者はこう言う。

「出身大学は採用の際にはこれといった指標がないから見ていますが、入社後は学歴を指標にしなくても日々の仕事で評価できるので、いかに有名大学であっても結果を出さない社員は当然出世もしません。東大卒もしかり。これははっきりしています」

つまり、東大卒でも仕事をやらせてみて、その期待に応えられなければ、「ああ、ダメだったか」と出世は止まってしまうのだ。救いの手が差し伸べられることはない。

理系出身者でも変わらない。電機メーカーの人事担当者は「技術開発部門の仕事はその人が持てる技術を生かして製品を作り上げていくことがメインです。ブルーカラーを管理することはないし、あくまでも作り出す力であり、結果がすべて。昇進はそれで決まるし、実際に同期でも高専卒出身者が東工大出身より上の等級になっている例もある。逆に結果を出さない社員は理系でも営業に配属することもあります」と語る。

ただし、企業によっては出身大学が配属先に影響するケースもある。住宅メーカーの人事担当者はこう言う。

「入社後に優秀と思われる社員を20人程度選抜し、第一線の営業部隊や本社の管理部門に数年間配属し、そこでの仕事ぶりを見て成績がよい社員はより責任の重い仕事をやらせています。順調に行けば昇進も早くなります。ただし、成績が悪いと当然、出世は遅れます」

同社ではこの選抜組をAグループと呼んでいるが、毎年入っているのは、国立では東大、京大、東北大、一橋大、大阪大、神戸大。私立では早慶に加えて、少ないがMARCH、立命館大、同志社大、関学大クラスも入るという。

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