2015年1月25日(日)

角を削って圧迫感を減らし、風景に溶け込ませました -LED歩行者用信号灯器

ヒットするデザイン

PRESIDENT 2014年11月3日号

プロダクトデザイナー 秋田道夫 構成=矢倉比呂 撮影=佐藤新也
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デザインした人 秋田道夫氏(プロダクトデザイナー)

信号の光を意識したことはありますか。ひと昔前、そのほとんどは白熱灯でした。しかし、2002年にLED光源の信号灯器(信号の光を表示するボックス部分)が現れました。これによってまぶしい日も光が明確に見えるようになっただけでなく、信号灯器の消費電力が少なくなり、耐久性も高まった。当然、LEDへの切り替えが進み、今では主流になりました。

信号の光がLEDに切り替わるタイミングで、デザインも一新することが求められました。信号灯器を手がけている企業は日本に6社あります。そのうちの一つで以前から付き合いのあった福岡県の信号電材という会社から依頼があり、歩行者用信号灯器という稀有なプロダクトづくりがスタートしました。

LEDを使用することで大きく変わったことは、もう一つあります。信号灯器そのものを大幅に薄くできるということです。その特性は、デザインを手がけるうえでも好都合でした。信号灯器は、主張のない、風景に溶け込むほど薄いものがいいと考えていたからです。

そもそも、信号の役割とは何でしょう。それは、事故がないように道路上で交通整理を行うこと。青、黄、赤の3色でそれぞれ「注意通行」「停止」「停止保持」を伝えます。デザインに主張がなければ、信号の光により目がいくようになる。だから、信号灯器を薄くすることは、360度どこからでも見えやすいという「視認性」の向上にもつながるのです。

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