2014年9月30日(火)

政権を狙わない政党や政治家は辞めたほうがいい―小沢一郎(生活の党代表)

塩田潮の「キーマンに聞く」【5】

PRESIDENT Online スペシャル

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なるべく早く政権を代えたほうがいい

生活の党代表 小沢一郎氏

【塩田潮】自民党が政権を奪還し、第2次安倍晋三内閣が発足して1年9カ月が過ぎました。ここまでの安倍政権をどう受け止めていますか。

【小沢一郎(生活の党代表)】20世紀までの戦争の時代の反省の下で、国際社会は国際連合をつくり、日本は日本国憲法を抱いて、国際の平和と人類の互いの共生を図っていこうという理想に基づき、世界は国際社会づくりを、日本は国づくりを始めたのだろうと思います。自分の国益を主張して、必要な場合は武力をもってでも国益を貫き通すという20世紀までの主権国家論に立脚して到達するところが戦争です。主権国家論的な旧来の古い発想を脱却しないといけないというのが、僕の基本的な考え方です。

ところが、安倍さんはそうではない。戦前回帰と言う人もいるように、日本はもっと大国として存在感を示さなければ、という考え方だ。最近は言わなくなったけれど、言葉の端々から、核武装による独立という考え方が見え隠れする。これは日本国憲法と国連の理想にまったく反する、歴史に逆行する考え方で、安倍さんの発想は国の将来を危うくする。

もう一つ、経済的側面で言うと、近代工業化社会は産業革命によって生まれたけれども、当初は自由主義、自由取引、市場経済最優先で、国家は夜警国家でいいという考え方の下で、資本はどんどん大きくなり、大多数の国民は単なる労働力の供給源でしかなくなって、格差が大きく開いた。このままでは結果として社会も国家も潰れてしまい、うまくいかなくなるということで、資本主義はセーフティネット、すなわち社会保障制度などを整備し、いろいろ試行錯誤を重ねながら、修正され、民主主義という考え方の中で、今日まで何とか生き延びてきた。

安倍さんの考え方は新自由主義と呼ばれるらしいけれど、自由取引、市場経済が絶対最優先の原理だという。雇用の面でも、日本的なセーフティネットだった終身雇用制は今や完全に否定され、ごく一部のエリート社員だけが正規社員で、全体の7割、8割も非正規にして、いつでも首が切れるようにする。内閣はそれをもう正式に決めている。医療も同じで、混合診療という名の下に自由診療を認めていく。突き詰めると、国民皆保険制度を崩壊させる可能性が非常に高い。

自由経済、資本主義経済を維持しながら、セーフティネットをつくって大多数の国民の生活を守っていく。そのせっかく人類がつくり上げてきた、そういう考え方にまったく逆行している。つまり安倍政権は、政治的側面から言っても経済的側面から言っても、歴史に逆行する、あるいは否定する危険な政権だと私は思っています。このままではいずれ国をあやまつ。ですから、なるべく早く政権を代えたほうがいいと思っています。

【塩田】安倍首相は7月1日に集団的自衛権の行使容認の閣議決定を行いましたが、集団的自衛権をめぐる安倍さんの姿勢については。

【小沢】集団的自衛権を普遍的に行使するのは憲法第9条で禁止されています。だから、憲法の解釈の問題ではない。自分が攻撃されたときの自衛権の発動は別として、その他の関係ない地域や国家間の紛争に関して自衛権を発動することは駄目と憲法第9条にはっきりと書いてある。安倍さんがどうしても日本をそういう国にしたいというなら、堂々と憲法第9条の改正を国会に発議して国民に訴えるべき、と僕は言っています。まやかしの姑息なやり方はリーダーとしてよろしくないと思います。

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