車が自動運転で車庫に入って充電

「将来こんな家に住めたらいい」――。見学した誰もがそう思ったホンダのスマートホームは、さいたま市桜区に建ち、目の前には埼玉大学がある。

ホンダ、東芝、積水ハウスがさいたま市に建設したスマートハウスの実証実験棟。

そのスマートホームは敷地面積60坪、延べ床面積74坪の3階建て二世帯住宅で、ITやパーソナルモビリティなどの技術と、家庭、地域のエネルギー需給を総合的にコントロールするエネルギーマネジメントを取り入れたものだ。

例えば、昼間外出している子世帯での太陽光発電の余剰電力を親世帯で使うなど、親世帯、子世帯で生んだ電力を各世帯の需要に応じて相互に供給し合うことができる。また、敷地内に止めた車「フィットEV」は、非接触充電機器を設置した車庫に自動運転で精度よく駐車して充電する。しかも、進化したV2H(Vehicle to Home)システムを導入しているので、車に蓄積されている電力が家庭用の非常時電源としてだけでなく、系統連系によって周辺コミュニティーに電力の供給も行える。

もちろん屋内についても、さまざまな工夫が施される。床はベランダまで完全にフラット化され、ホンダの1人乗り電動車「UNI-CUBβ(ユニカブベータ)」が自由に動けるようになっている。これによって、足腰の弱ったお年寄りでも、座ったままどこにでも移動できる。

そのうえ、ドアや窓、ブラインドが自動開閉式で、強い日射しを感知すると、ブラインドが下がり、また外が涼しくなると、窓が開き、涼しい風を室内に取り入れるのだ。また、外が暗くなると、自動的に室内の照明が点灯する。