東京六大学で初の女性総長誕生!

法政大学の総長に田中優子氏が就任。初の女性総長による大学改革が始まった。

この春、法政大学に東京六大学で初の女性学長が誕生した。『江戸の想像力』『江戸百夢』など数多くの著作を持ち、早くからスター教授として活躍してきた田中優子総長(理事長兼学長)だ。また、青木宗也(在任1983~88=総長代行時代を含む)、平林千牧(2005~08)両総長に続く「生え抜き」のトップとしても学内の期待が高まっている。

内外から注目が集まる中、就任後初の記者会見に応じた田中総長は「サステイナブル(持続可能)」「自由」「グローバル」をキーワードに、次のような年度方針を打ち出した。

第一に掲げたのが「サステイナブル」だ。法政は15学部に2万7000人の学生、専任教員700人以上、職員400人以上を擁する大規模大学。その影響力を自覚したうえで、「サステイナブル社会を実現する日本発のグローバル大学」を目指すとしている。

法政は学内に「サステイナビリティ研究所」を持ち、地球環境の維持や災害復興に関する研究を進めているが、そうした研究をベースにした「サステイナビリティ教科群」を講義メニューに加え、全学部の学生が履修できる「教育の一つの柱にしたい」という。さらに、国内向けにとどまらず、海外からの留学生を惹きつける「法政ならでは」の魅力にしていきたいと田中総長は意気込む。

「日本は高度成長の過程で公害を乗り越えてきた経験があり、原発事故の処理、少子高齢化という面でも課題解決の先進国です。日本における先進の知見を、アジアをはじめとする世界に発信していくことも日本の大学として大切な責務。世界各国からの留学生にもサステイナビリティ教科群を学んでほしい」(田中総長)