資産を増やしたいが時間はかけたくない――。そんなビジネスパーソンに適した資産運用サービスがある。三井住友信託銀行が提供する「三井住友信託ファンドラップ」だ。投資の判断や投資信託の売買発注、口座管理までを一括で投資のプロに任せることができる商品として、いま支持を集めている。サービスの特徴や今後の展望を、同社投資顧問業務部長の太田剛氏に聞いた。

“投資のプロ”のノウハウを
個人の資産運用に活かす

――団塊の世代が続々と退職を迎え、資産運用に対する意識が高まっています。運用ニーズの変化をどう捉えていますか。
太田剛●おおた・つよし
三井住友信託銀行
投資顧問業務部長

【太田】団塊の世代は、セカンドライフの設計として、単に目先の資産運用だけではなく、その先にある医療や介護、相続という問題も視野に入ってくる方々です。それだけに “資産”へのまなざしはより真剣なものがあります。インフレ懸念が高まり、資産の目減りが懸念される中、いまこそ「資産を守る運用」を、とお考えの方が多いようです。

一口に資産運用のニーズといっても、その方向性はさまざまです。退職や相続でまとまった資金を受け取った方であれば、今後の資産運用のあり方全般を相談できるパートナーが必要とされるでしょう。一方、投資経験が豊富な方からは、保有する金融商品が増え過ぎて管理が煩雑になっているという悩みもうかがいます。手間をかけずに効率よく資産運用したいというニーズも高まっているようです。

――そのようなニーズに応えるためにラップ口座「三井住友信託ファンドラップ(以下、ファンドラップ)」を提供されています。サービスの特徴を教えてください。

【太田】世界経済はリーマンショック後の非常時から平常化への途上で、注意すべき材料に事欠きません。新興国経済も国ごとの見極めが必要になってきました。投資環境が複雑化する中、インフレのリスクを意識しながら資産を守るには、預貯金や国債だけでは難しく、より高度な運用テクニックが必要となります。さまざまな局面に対応できる運用の手腕が問われるのです。

その点、ファンドラップには、当社が信託銀行として培ってきた運用経験が生きています。私たちは国や企業の年金受託事業で国内最大規模の資産運用残高(70.6兆円、2014年3月末)・資産管理残高(197兆円(国内受託)、同)をお預かりし、長期安定運用にかけては非常に長い知見を有しています。このプロ向けマーケットで培ってきたノウハウを、個人の資産運用に応用したものが、当社のファンドラップです。

個人向けとはいえ、運用に関する姿勢は、プロ向けと変わりません。まず、資産状況や投資に対する考え方などをヒアリングした上で、お客様のリスクに対する考え方や運用資金の性質に合った運用コースをこちらからご提案します。これなら、「何をどうすればいいのか分からない」というお客様にも、安心して資産運用の第一歩を踏み出していただけると思います。また、ファンドラップのお客様専用のサービスとして、充実した運用報告書の提供や契約者様向けセミナーの定期的な開催、会報の発行等を通じて、継続的に資産運用全体のご相談にお応えできる体制もご用意しています。

運用コースは、安定性を重視した保守的なコースから、ある程度のリスクを許容してより積極的に収益機会を狙うものまで、5コース10種類を用意しています。幅広いお考えに沿った提案が可能です。

投資経験が豊富で、保有資産が複雑になり過ぎているお客様にとっても、手間なく資産を管理する手段としてご活用いただけるでしょう。全体資産のコアとなる部分はファンドラップで守りつつ、さらなる収益機会を目指す投資は余裕資金で旬のテーマを狙っていただく、という方法も考えられます。