グレーゾーンを一刀両断する技術

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2つのグループに分けるには、境界線をどこに引くのが最適か

最終的には各社の将来性について丁寧に検討しなければならないことはいうまでもありませんが、その前にこれまでの経験にもとづいた1次フィルタリングができれば、審査の効率はぐんと上がるだろうと、細野さんは考えました。

問題は2つのグループの境目あたりにある企業です。こうしたグレーの領域の企業があらかじめわかっていれば、対応が後手に回ることを避けられるかもしれません。どこでグレーゾーンの企業を見分けるか、つまりどこに一線を引くかです。

そこで、統計的手法を用いることにします。

ここでは、投資を継続するか株式を売却するかについて意思決定をしたいので、「判別分析」という手法を採用します。

これは、「2つのグループに分ける」ために「最適な境界線を引く」ための手法です。どっちに分ければよいのかわからないグレーゾーンを、一刀両断する技術といってよいでしょう。

2つのグループに分けるといっても、境界がわかりにくいグレーゾーンを分けるのですから、「傾き」が異なる線を何通りも引くことができます(図表3)。