「入りたい熱意」は関係ない

就職活動と同じように考えて、「お手紙をつけて入りたい熱意を示すと受かりやすいのでは」と考える人もいるようですが、それは勘違いです。

まず、選考をするのは、各園の園長などではなく、市町村の保育担当部署ですので、「貴園の保育方針がすばらしいと思いました」などのアピールは通じません。また、前述のとおり、入園選考で重視するのは家庭の困り具合であって、家庭の志望の度合いではありません。

もちろん入園申請書に書かれた家庭の希望に基づいてなるべく希望順位の高い園に決まるように検討されるはずですが、待機児童が多ければ多いほど、とにかく「点数」次第なのです。

「入園申請書にお手紙をつけたほうがいい」という話は入園希望者の間で広く蔓延していますが、市町村の担当者に聞くと「関係ありません」と、けんもほろろ。実際、役所では4月入園の選考はたいへんな作業になっているので、いちいちお手紙まで吟味していると、いつまでたっても決まらないというのが担当者のホンネでしょう。

ただ、家庭の事情、子どもの事情で困っていることがあれば、申請前に窓口で相談したり、具体的な資料(診断書、経済的な困難を表すもの)をつけて伝えるなどしたほうがよいと思います。

保育園を考える親の会代表 普光院亜紀
1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経てフリーランスライターに。93年より「保育園を考える親の会」代表(http://www.eqg.org/oyanokai/)。出版社勤務当時は自身も2人の子どもを保育園などに預けて働く。現在は、国や自治体の保育関係の委員、大学講師も務める。著書に『共働き子育て入門』(集英社新書)、『働くママ&パパの子育て110の知恵』(保育園を考える親の会編、医学通信社)ほか多数。