2013年11月22日(金)

楽天イーグルス躍進! 野村克也が語る「一流プロの化かし合い」

PRESIDENT 2013年11月4日号

著者
大竹 聡 おおたけ・さとし
フリーライター

大竹 聡1963年、東京都生まれ。出版社、広告会社などを経てフリーライターになる。2002年に「酒とつまみ」創刊。現在14号まで刊行。『下町酒場ぶらりぶらり』『愛と追憶のレモンサワー』など著書多数。

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大竹 聡=文 大沢尚芳=撮影 時事通信フォト=写真
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「これが野球だという模範試合を見せてほしい」──。東北楽天ゴールデンイーグルスの育ての親である名将は語る。
――東北楽天ゴールデンイーグルスの育ての親である名将・野村克也さん。今季、リーグ優勝を果たしたチームには監督時代に手塩にかけた中心選手も少なくない。しかし楽天優勝について語る口ぶりは、意外なほどに恬淡としていた。
野村克也氏

「最近は楽天の試合をじっくり見る機会がないから、あまりよくわからない。ただ、マー君(田中将大投手)は手の届かない存在になりましたね。大きく成長した。『マー君神の子不思議な子』と私はかつて言いましたが、神様の稲尾(和久)を超える記録を打ち立てたのだから、ケチのつけようのない立派なピッチャーです」

――一方で、楽天に限らず、指導者は一体何を考えているのかと憤る。

「私は以前から、監督は“気づかせ役”だと考えてきたが、今の12球団の監督全員に、野球とは何かと問い質してみたい。今シーズン、ある球団の試合を見ていて、こんな場面があった。1対0で負けている9回の最後の攻撃。ワンアウト・ランナー1塁。足のスペシャリストが代走に出る。相手の投手はフォームの大きい外国人。さて、このランナーをどう進塁させるか。じっくり攻めたい。しかし打撃成績も素晴らしいバッターは、初球をセンターに打ち上げてツーアウト。長打もある好打者だが、ホームランが出る確率は王貞治だって1割を切る。高くはない。そもそも、足のスペシャリストが起用されている。よし、コイツにも仕事をさせてやれという思い、仲間意識はないのか。それと、このケース、初球から打っていいかどうかを、普通ならベンチに確認を取る。それが初球を打ち上げてセンターフライ。次の打者も初球ボールの後の2球目をあっさり打ち上げてゲームセット。味も素っ気もない。草野球以下、解説できない。プロなんだから、これが野球だという模範試合を見せてほしい。このままでは、日本のプロ野球がダメになる」

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