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【ウィークリー翔】全ては安値実現のため、1円単位でホテルの原価を公開する!/「ウィークリー翔がホテルやマンションを運営すると、地域全体の宿泊費や家賃もかなり低下する」(桑原氏)という。

激安ビジネスホテルの噂を聞きつけたわれわれ取材班が実際に宿泊してみると、苛烈なコストカットの波状攻撃に驚いた。まず宿泊の受け付けは16時から20時半までで、それ以降は従業員が帰宅してしまう。チェックアウト時も誰も人がいないのでカードキーを所定の穴に入れる。内装はコンクリートの打ちっぱなしで、風呂、トイレは共同。アメニティは基本的に設置されておらず、必要ならフロントや近隣の施設で購入する。部屋はオートロック式だが、キーの閉じ込みをしてしまった場合、自分で警備会社を呼び、自己負担で鍵を開けてもらう。普通のビジネスホテルに慣れ親しんだ人はとまどうだろう。しかもウィークリー翔では、館内に前月の原価表が貼り出され、お客にも高いコスト意識を要求する。

「赤字が続けばホテルはつぶれてしまいますから、この原価表は切実な訴えですね。1人あたりこれだけのお金がかかっていて、最終的なうちの利益はこれだけです、と全部オープンにしてしまう。お客さんと一緒に安さを支えているという感覚です」

単価を下げても稼働率さえ上げることができれば利益は出る、と桑原社長は語る。現在稼働率は80%台だ。90%まで上げることが当面の目標だ。

「ホテルであっても24時間稼働する必要はない。私としては部屋に置いてあるテレビも撤去したいと実験中です」