ソウルに比べれば「インドネシアはマシ」

インドネシア大学に留学している韓国人女子大生、ハン・ソニュルさん(仮名)に直接話を聞くことができた。インドネシア大学に留学した理由は「就職において優位性があるから」だという。

「中国語は今やメジャーすぎて差別化できない。ベトナムも少し前までは有望な海外就職先だったが、これ以上経済成長するかというと微妙。インドネシアはまだまだこれからというイメージがある。韓国での就職はスペック重視。英語はある程度できて当たり前という風潮が強く、外語大卒ならなおさら。インドネシア語ができれば人気企業にアピールできる」

韓国統計庁のデータによると、韓国の4年制大学の就職率は過去数年6~7割程度。高学歴でも約3割が就職できないという。

「ソウルで働けるなら働きたいですが、まともな生活ができるのはほんの一部。インドネシアはムスリムがマジョリティで、住みやすい国かといえば微妙な部分はありますが、生活コストが安く、ソウルの競争の激しさに比べたらインドネシアの方がまだマシ」

リストラされたらチキン屋をやるしかない

40代前半のパク・トユンさん(仮名)は23年、インドネシア大学に私費留学した。

パクさんはそれまで中堅部品メーカーで管理職をしていたが、30代の最後で退職勧告を受けたという。

「自分の会社はそれなりに大丈夫だと思っていたんですが、甘かった。人員整理、早い話がリストラですね」。

韓国ではリストラが珍しくないため、「起承転結」をもじった「起承転チキン」という言葉さえある。つまり、それまでどんなキャリアを積もうとも、最終的にはリストラされてチキン屋をやるしかない、と言う自虐的なジョークだ。

韓国のフライドチキン
写真=iStock.com/fabian cho
リストラされたらチキン屋をやるしかない(※写真はイメージです)

「チキン屋をやろうかと一瞬本気で思ったが、どうせなら知り合いがいるインドネシアで一旗あげようと思った」。

パクさんはインドネシア大学の語学コースを終了後、無事に韓国食品企業のインドネシア法人に就職できたという。