中高年の「婚活」ではなにが重要なのか。ノンフィクションライターの中村淳彦さんは「中高年男性にとって、アプリでの婚活は厳しい。だが、私はノンフィクションライターとして培った『傾聴』の技術で、並み居るライバルを出し抜くことができた」という――。

※本稿は、中村淳彦『ずるい傾聴術 人間関係が好転してトクする33のルール』(かや書房)の一部を再編集したものです。

ベンチに腰掛ける高齢者
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「55歳以上で未婚の男性」はもう結婚できない

40代中年男性の婚活は、年々厳しさを増しています。

アラフィフの生涯未婚率は男性25.7%、女性16.4%となり、4人に1人が結婚しない、あるいはできない社会となりました。

この傾向はずっと続き、10年後には男性の生涯未婚率が30パーセントを超えるのは確実と言われています。

55歳以上で未婚の男性が結婚することはほとんどなく、さらに驚くことに未婚男性の平均寿命は67.2歳なので、多くの単身男性は年金すらもらわないうちに、いずれなにかしらの病気をわずらって死んでいくことになります。

未婚男性と未婚女性のマッチングは難しい

未婚の男女で傾向が正反対なことはご存じでしょうか。未婚男性は高卒以下の非正規労働者が多く、未婚女性は逆に、高学歴高収入の人が多いのです。

階層が異なる同士の結婚は稀です。つまり、「生涯未婚」同士でマッチングすることは難しく、いずれ未婚男性の孤独死が常識となるであろう、深刻な状態なのです。

筆者は2020年9月、48歳のときに妻を脳腫瘍で亡くしました。

残されたこれからの人生をどうするかを考え、亡くなってから4カ月後に、数年間かかることを覚悟してアプリで婚活を始めました。