病気を遠ざけるためには食事内容をどのように改善すればいいのか。糖尿病専門医の牧田善二さんは「健康的に見えて実は糖尿病やアルツハイマー病を量産してしまうのが和食。それ以外にも隠れ糖質を含むメニューは多いので注意が必要だ」という――。

※本稿は、牧田善二『糖尿病専門医だから知っている アルツハイマー病にならない習慣』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

和食の朝食イメージ
写真=iStock.com/kuppa_rock
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健康的に見えて実はアルツハイマー病を量産する食事

アルツハイマー病を予防したいと考えたときに、最も重要なのが「食事」です。アルツハイマー病に限らずどんな病気でも、食事内容を改善することでかなり予防効果が期待できます。

私がこう述べると、「自分は健康的な食事を心掛けているから大丈夫」と胸を張る人が一定数います。彼らに詳しく話を聞いてみると、その多くが「和食だから健康的」と考えていることがわかります。

しかし、それは大間違いなのです。

もちろん、和食にも素晴らしい要素はあります。たとえば、納豆や豆腐のような大豆製品、魚、海藻、キノコ、野菜類をたっぷり使ったおかずは健康的です。

ただ、定食であるなら、そこに、味噌汁とご飯が付きますね。味噌は優れた発酵食品ですが、塩分が高く血圧を上げます。

そして、何よりいけないのがご飯です。炊きたての白米は本当に美味しいですが、インスリン抵抗性を起こす大きな原因となります。つまり、ご飯の多食は、アルツハイマー病も糖尿病も引き寄せてしまうのです。

その理由を説明しましょう。

ご飯やパン、麺類などの炭水化物は「多糖類」といって、ブドウ糖が連なったつくりをしています。甘い砂糖は「二糖類」で、2つのブドウ糖からなっています。

多糖類も二糖類も、口から食べて消化する過程で、全部1つ1つのブドウ糖に分解されます。要するに、ご飯を食べるのと砂糖をなめるのは、結果的に同じ行為というわけです。

もちろん、白米に限らず玄米も、うどんもそばもラーメンも、全粒粉を使ったパンやパスタも、全部、糖質の塊です。それらを食べれば、分解されたブドウ糖が小腸から血液中に吸収されます。すると、インスリンが分泌され、まずはブドウ糖をグリコーゲンに換えて肝臓や筋肉に貯蔵します。ただ、その容量が少ないために、余ったブドウ糖は中性脂肪に換えられ脂肪細胞に貯蔵されて太ります。

いずれにしても、こうした作業をするためには、インスリンがたくさん必要で、それを繰り返しているうちに、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性に陥ります。ということは、「糖質が多い食事=太りやすい食事=インスリン抵抗性を起こす食事=糖尿病になりやすい食事=アルツハイマー病になりやすい食事」なのだとわかるでしょう。

和食は総じて炭水化物(糖質)が多く、おすすめできません。