韓国の新聞が先日、北朝鮮の最高指導者である金正恩総書記の命令で、合唱団の指揮者が公開処刑されたと報じた。記事によれば、この人物は大勢の人の目の前で90発も銃で撃たれて死亡し、合唱団はその遺体の周囲を行進することを強要されたという。
日刊紙「東亜日報」の記者、周成賀が書いたこの記事は、4月29日に発行された後、インターネット上で拡散されている。現時点で、記事の内容を裏づける証拠は見つかっていない。
周によれば、きっかけは故金正日総書記の誕生日である2月16日の出来事。北朝鮮はこの日を「光明星節」として祝っており、金正恩は妻と共に平壌にある万寿台芸術劇場で記念公演を鑑賞した。
公演の演目のひとつが「シャドー・マジック」と呼ばれるもので、俳優たちがスクリーンの裏で手品を行うパフォーマンスだったという。周によれば、公演後に金正恩が劇団を褒めたが、ある指揮者が近くにいた人物に「自分はそんなにいいと思わなかった」と話したのが密告で金の耳に入ったらしい。その夜遅くに、この指揮者は身柄を拘束されたと周は書いている。
3人のライフル銃兵が30発ずつ
そして2日後、平壌在住のすべてのアーティストに集合命令が下った。記事によれば、彼らが2月20日に処刑場に集まると、問題の発言を行った合唱団の指揮者が縛りつけられていたという。
周は記事にこう書いている。「合唱団の指揮者は、集まった人々の目の前でひどい死に方をした。処刑はAK47自動小銃を持ったライフル銃兵3人によって行われ、それぞれの銃兵が10メートルの距離から30発ずつ撃った。90発の弾で撃たれた遺体は、持ち上げることもできないほどずっしりと重かった」
記事によれば、処刑されたのは記念公演の指揮者を務めた人物で、名前は「Hyun-woo Cho(チョ・ヒョンウ)」と聞こえたという。周は記事の中で、この名前についてインターネットで調べてみたところ、指揮者で同じような発音の名前の人物は「Hyun-ho Ryu」だけだったと書いている。
周は記事を書いた時点で、処刑された人物の名前にはいまだに確信は持てないと述べ、「だが問題の指揮者が公開処刑されたことは確かだ」と書いている。