湖池屋のポテトチップス「プライドポテト」が売れている。2017年の発売開始以来、商品力は高かったが、売り上げは伸び悩んでいた。だが今年2月に大胆なリニューアルを行った結果、前年同月比512%という大ヒットに。大きな変更点は、「神のり塩」「衝撃のコンソメ」といったフレーバー名。そのネーミングは取引先から「ふざけてるのか」と怒られることもあったという——。(前編/全2回)
2017年「プライドポテト」の衝撃
2017年に湖池屋が発売したポテトチップス「プライドポテト」が今年2月にリニューアルした。「プライドポテト」は、それまでの国内ポテトチップスカテゴリにほとんど存在しなかった「プレミアムポテトチップス」という全く新しいカテゴリを誕生させた商品だ。
筆者は幼少期より無類のポテトチップス好きで、それが高じて3年ほど前から「ポテチ会」なるものを主催している。友人を数人〜十数人自宅に呼び、各自“推しポテトチップス”を1袋以上持ってきてもらう。それらを全員で全種類試食し講評したのち、1人持ち点20ポイントを振り分けて優勝商品を決めるのだ。
2017年に開催したその第1回大会で参加者一同の度肝を抜いたのが、当時新発売だった湖池屋の「プライドポテト」である。普通のポテトチップスより価格は高いが、「味付けが割烹料理のように繊細で、素材(ジャガイモ)本来の味が生きている」として参加者の絶賛を集めた。
実際、売れ行きも好調だった。話題性もあいまって初年度の売り上げは約40億円の大ヒット。好調な滑り出しを見せる。ところが、勢いは長く続かなかった。この要因はふたつある。