新型コロナウイルスの影響で、日本各地の会社で半強制的に広まったリモートワーク。各企業が対応に追われる中、フルリモートワークを6年前の創業時から実現し、現在は700人以上が働くキャスターという会社がある。24時間365日の在宅勤務で創業以来、増収を毎年続けている。代表の中川祥太氏は「フルリモートは、出社させるよりもマネジメントしやすい」と話す。
700人全員がフルリモートワーク。顔を見なくても「むしろ管理はしやすい」(中川代表)
写真提供=キャスター
700人全員がフルリモートワーク。顔を見なくても「むしろ管理はしやすい」(中川代表)

クライアントが会いたくてもお断り

キャスターが掲げるミッションは、「リモートワークを当たり前にすること」。事業内容は人材事業運営で、秘書・人事・経理などの業務をサポートするオンラインアシスタントをはじめとした15の事業を展開している。700人のうち、雇用契約を結んでいる300人強の社員はフルタイムで働き、残りの400人弱は働きたいときだけ稼働する業務委託契約をとる。採用の段階からリモートで行われ、メンバーが出社する場や機会はない。

「フルリモートを創業時から貫いています。従業員は住んでいる場所だけでなくライフスタイルや家庭環境もバラバラです。例えば長崎県のある地域に住んでいる社員は、下水道さえ通ってない過疎地に暮らしていて、東京の実家まで帰るのに10時間かかるそうです。たとえクライアントから『会って話を聞きたい』という要望があっても、お断りしています。断りを入れること自体に苦労や不都合に感じたことはないですね」