新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相と小池百合子都知事がたびたび記者会見を開いている。コミュニケーションストラテジストの岡本純子氏は「どちらの会見もあいまいな表現ばかりで、国民の不安を高めるばかりだ。全米で最悪の状況にあるニューヨーク州知事のスピーチとは正反対だ」という――。
なぜ安倍晋三首相と小池百合子都知事のコロナ会見はダメダメなのか
新型コロナウイルスの世界的大流行という未曾有の危機にあって、リーダーたちの「真価」が試されている。
日本はこれまで最前線の医療や行政関係者の地道な努力で乗り切ってきたが、ついに感染が爆発的に拡大するかどうかの重大局面に差し掛かっている。そうした状況における不安材料が、安倍晋三首相と小池百合子都知事のリーダーシップの欠如だ。3月下旬に行われた2人の記者会見は、「日本流コミュニケーション」のダメダメさを凝縮したような大変残念なものだった。
一方、アメリカでは、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が天才的なコミュニケーション手腕を発揮し、絶望的な状況での「希望の星」として、人気を集めている。
今回は、リーダーとは危機のときにどんなコミュニケーションを心がけるべきかについて考えたい。