世界の全生産量の約9割を日本が占めている
日韓の対立悪化がとうとう貿易問題にまで広がった。
2019年7月1日、経済産業省は韓国への半導体材料3品目の輸出に関して、19年7月4日から契約ごとに審査・許可する方式に切り替えると発表した。
対象となる半導体材料はフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目。フッ化ポリイミドはスマートフォンの液晶などの基板材料から宇宙航空関連の部材まで幅広く利用されている化学製品で、世界の全生産量の約9割を日本が占めている。
レジスト(感光材)は半導体などを物理的、化学的に処理する際の保護膜。高純度フッ化水素は「エッチングガス」とも呼ばれ、半導体や太陽電池などのシリコン基板の洗浄に使われる。高純度フッ化水素の製造技術は日本のメーカーが圧倒的で、市場シェアをほぼ独占している。
これらの半導体材料の韓国への輸出は、これまで1度許可申請をすれば3年間は申請なしで輸出することができた。この包括輸出許可制度の対象から韓国を外したため、19年7月4日以降は契約ごとに個別の輸出許可申請が必要になった。