【稲】ゴールド投資にはいくつか方法がありますが、特に最近人気を集めているのがゴールドETFです。日本でも注目度が上がっており、ステート・ストリートが東京証券取引所に重複上場しているゴールドETF「SPDR®ゴールド・シェア」の場合、認識している中で、今年5月には単月として過去最高の資金流入額を記録しています。

ゴールドETFは、純金コインや金の延べ棒などの現物（金地金きんじがね）を購入する場合と違って、保管のセキュリティを考える必要がなく、証券会社でネット購入もできます。「新NISAをきっかけに証券会社に口座を開いた」という人にもお勧めです。

利便性の高さに加え、手数料の安さも魅力です。第1回の記事でもご紹介した通り、一般的な投資信託にくらべてETFは手数料（信託報酬）が低い傾向があります。信託報酬は、保有している間ずっとかかり続けるもの。長期投資を考えるなら少しでも低い方がいいので、この点でもゴールドETFは魅力的です。

【稲】まず、SPDR® ゴールド・シェアは、2004年に米国初の金の現物を裏付けとするETFとして生まれました。今やゴールドETFを代表する商品に成長しており、現在では運用資産総額が約620億米ドル、日本円で10兆円近くと、世界最大です（６月30日現在）。そして、世界で最も取引されているゴールドETFなのです。

取引高が大きいということは、それだけ流動性が高いことを意味します。流動性が高ければ高いほど、売値と買値の差が小さくなる傾向にあるので、取引のコストを抑えることができます。だからこそ、SPDR® ゴールド・シェアは特に、大口の取引を行う機関投資家の皆さまにとって、魅力のある商品となっているのだといえるでしょう。

SPDR® ゴールド・シェアは、米国・ニューヨーク証券取引所アーカ市場（銘柄コード：GLD）だけでなく、東京証券取引所（銘柄コード：1326）でも重複上場しています。東証で購入する場合は証券会社で外国証券取引口座を開設していただく必要がありますが、日本円で取引が可能ですし、東証が公表している新NISAの成長投資枠にも含まれていますので、日本の投資家の皆さまにも親しまれています。

もう一つのゴールドETFが、「SPDR® ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト」です。これは、「より経費の低いゴールドETFを」というニーズに応えて2018年に設定・上場されたもので、SPDR® ゴールド・シェアよりもさらに低い経費での投資が可能です。このため、長期保有による資産形成を考えている個人投資家の皆さまにぴったりでしょう。

SPDR® ゴールド・ミニシェアーズ・トラストは、米国・ニューヨーク証券取引所アーカ市場に上場しているので（銘柄コード：GLDM）、証券会社で外国証券取引口座を開設して、米ドル建てで取引を行うことになります。

【稲】ステート・ストリートは、約4兆4200億米ドルを運用する、世界第4位の資産運用会社です。ETFは強みの一つで、1993年に米国初のETF「SPDR® S&P500® ETF」を設定して以来、30年以上にわたって、投資家の皆さまのニーズにお応えするイノベーティブなETFを提供し続けています。ゴールドETFも、まさにそうしたものの一つです。

さらにステート・ストリートは、金が戦略的資産として果たす役割や責任ある金のサプライチェーンに誰もがアクセス可能となる未来をつくることを目指す金の国際調査機関である、ワールド ゴールド カウンシル（WGC）とパートナーシップを持っています。WGCの完全子会社がファンドのスポンサーとしてステート・ストリートのゴールドETFの業務監督をしており、とてもユニークなアプローチをステート・ストリートのゴールドETFに提供しているのです。

WGCは、金市場に関する高い情報収集力を持っており、例えば、各国の中央銀行の金の需要トレンドやゴールドETFの資金動向、過去の金に関する需要と供給に関するデータや分析を提供しています。このため投資家の皆さまには、WGCが提供する金市場をより理解するための情報やゴールドETFに関するデータといった、最新の情報やデータをご活用いただけます。

金が持つ「需要が高く安定しており、他の金融資産との相関が低い」というユニークな特徴に、利便性が高くコストが低いという魅力を付加したのがゴールドETFです。より多くの方々にその魅力を知っていただき、資産形成の投資効率向上のために私たちのゴールドETFを、投資ポートフォリオに組み入れていただきたいと考えています。