※本稿は、西崎彩智『部屋がゴチャゴチャで、毎日ヘトヘトなんですが、二度と散らからない片づけのコツ、教えてください!』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
1日3回。約5分のリセットタイムを
「きれいな状態」をキープするには、1日の中で「リセットタイム」を設けるのがオススメです。「リセット」とは、「全てをもとの状態に戻すこと」。「リセットタイム」とは、1日の中で全てのモノが、そのモノの住所、つまり「あるべき場所」に戻る時間のことをいいます。
モノをうまく収納するためには、そのモノをしまう場所、つまり住所が設定されていなければなりません。でも、せっかく住所があっても、その住所に戻す時間が決まっていなければ、モノは戻りません。
理想を言えば、もちろん使ったモノを指定の場所にすぐ戻し、常にきれいな状態を保つのが一番良いに決まっています。そうは言っても、「スグ使うものだから、ちょっと置きっ放しにする」とか「あとで使うから、すぐにはしまえない」など、使い手によっていろいろと事情があるもの。出したモノをすぐに元に戻すことが難しい場合もありますよね。
またお子さんがまだ小さい間は、実際問題、使っているおもちゃや絵本を使ったらすぐに戻すなんて、なかなかできないのではないでしょうか。私も子どもたちに、「これ、今、もう使っていないなら、片づけちゃったら?」と声をかけると「まだ使ってるの!」「今、使おうと思ってた!」と言われることもしばしばでした。
「本当?」とも思うんですが、そればかりは使っている本人にしかわからないことなので、仕方ないですよね。かと言って、ずっと出しっぱなしにするわけにもいきません。出しっ放しの状態が積み重なれば、元に戻すときに、結局は、自分や家族に大きな負荷がかかることになります。そんなことにならないようにするために、1日に何回か「リセットタイム」を設けるようにすればよいわけです。
タスクは小さく
この「1日に何回か」というのも非常に重要です。「全てのモノをあるべき場所に戻す」のは、1日に1回でもいいのではないか、と受講生の方に聞かれたことがあります。
でもね、「リセットタイム」を1日1回に減らしてしまうと、かえって片づけは大変になるものなんです。各自が、片づけを意識しないで日が過ぎると、思った以上にたくさんのモノが出しっ放しになっているものです。
「タスクは小さく」が原則。では、タイミングで考えれば、いつがベストか。オススメは、朝、夕食前、寝る前の3回です。
ベストな3つのタイミング
1 朝、外出する前
まず、「朝」。朝、外出する前がオススメです。朝はバタバタしていて、片づける時間が取れないとおっしゃる方がたくさんいます。でも、朝、片づかないまま、家を出てしまうと、その片づかない家が疲れて帰って来た家族を迎えることになります。
忙しい朝の数時間の間に、出したモノなんてたかが知れています。出かける前の5分で、家族みんなが気持ちよく「ただいま」を言える場所にして出かけましょう。
私は、いつも家族に、「出かけるときは、必ず後ろを振り返ってね」と話していました。「そこが、あなたたちが『ただいま』と言って帰ったときに『お帰り』と迎えてくれる場所だから」と。自分じゃなく、家族みんなが、朝、出かける前に片づいた状態にして、出かける習慣をつけられるといいですよね。
2 夕食前
次にオススメのタイミングは、「夕食前」です。
家族全員が帰宅すると、それぞれが外出先から持ち帰ったモノがリビングに置きっ放しになっていたり、一度定位置に収まっていたモノが必要に応じて出された状態になっていたりします。
それをリセットするタイミングとしてオススメしたいのが、夕食前のタイミングなんです。「夕飯を食べる時間まで」というリミットが決まっているので、自然と行動が速くなるのが良いところ。
お子さんが小さければ、「ママがご飯を作り終わるのと、皆の片づけと、どっちが速く終わるか競争しよう!」と声をかけてもいいと思います。きっと、お子さんはママに負けないように! と頑張って片づけに取り組んでくれるはず!
小さいお子さんの場合、寝る前は、もう疲れて片づける気力がないということも多いので、おもちゃや、本、勉強道具なども、この時点で定位置にしっかり戻しておくと、後がとても楽になります。
3 夜、寝る前
最後は、夜、「寝る前」です。朝、起きたときに、モノが定位置に戻っていなかったり、片づけるべき家事が残っていたりすると、1日を気持ち良くスタートすることができませんよね。
これも「出かける前」と同じで、次の朝、起きてきて、自分が「おはよう」という場所なのだから、ちょっと頑張って片づいた状態にして寝た方が気持ちが良いはずなんです。
キッチンに洗いモノが残っていると、朝食作りやお弁当作りの前に、まず「片づけ」というワンクッションが入ります。すると、やっぱり手間がかかるし、面倒に感じてしまいますよね。我が家は寝る前に、食洗機の中も何かのついでに片づけることにしているので、朝、気持ちが良い状態でキッチンに立てます。
洗面所に脱ぎっ放しの洋服があるのも、嬉しいものではありません。我が家では、夜のうちにタイマーを仕掛けておき、朝起きたときには洗濯が既に終わって、干すだけの状態になっているようにしています。
他にも、私が寝る前に心がけているのは、ソファに置いてあるクッションをきれいに並べるとか、届いている郵便物を整理するとか、そんな些細なこと。でも、そんな些細なことを放っておくか、片づけておくかで、「明日の自分」が変わるんです。
ほんのちょっと先の自分を想像して、未来の自分になるべく負荷をかけないように、快適に過ごしてもらえるように、1日3回のリセットタイムを習慣化しましょう。
「タイミングを決めておく」と続きやすい
1週間のすきま時間〈活用法〉
曜日ごとにきれいにする場所を決めておく
毎日、同じだけ情熱を傾けて片づけるというのは、なかなか難しいものです。曜日ごとに重点ポイントを決めておくと良いでしょう。いつものタスクに、曜日ごとにちょっと特別なタスクをプラスするようなイメージです。私は、ルーティンを忘れないように、月・火・水・木・金・土・日、とそれぞれの曜日にちなんだことをやるようにしています。
月曜日は「目線より上」
月曜日の月は、見上げるものなので、上の方の掃除、例えばシーリングライトの掃除をするとか、壁の埃を落とすとか、そういうことをメインにやるようにしています。
火曜日は「火を使う場所」
火を使うところの掃除をします。ガスコンロとか五徳のお手入れ、換気扇の油汚れを落とすなど、キッチンを中心に掃除します。
水曜日は「水回り」
水回りの掃除ということで、シンクを磨いたり、排水溝の掃除をしたりします。
木曜日は「木に関連する場所」
木を使ったところ、ということで床を磨きます。クイックルワイパーをかけるも良し、水拭きをするも良し。最近、我が家ではブラーバにお任せしていますが、ブラーバを必ず稼働させる日を木曜日に設定しました。
金曜日は「お財布」
意外と放っておかれがちなお財布の中を整理するようにしています。ついついためこんでしまう不要なレシートを捨てたり、クレジットカードの順番をきちんと整えたり、お札の向きを整えたりといったお金回りのことをきれいにしていきます。
土曜日は「土に関連する場所」
土に関係する場所の掃除をしています。バルコニーや玄関の掃除など、土に関連した場所の掃除をしっかりやっていきます。
日曜日は「予備日」
その週に手が回らなかったところを掃除していきます。こんなふうに曜日の漢字に結び付いた場所なので、忘れにくいですし、何より楽しいでしょう? 片づけにもそういう遊び心って絶対に大切なんです。習慣化するには、ある程度、考えないで機械的にできることを決めておいた方が良いです。気分に任せず、その日やるべきことをきちんとこなすことが、片づけをうまく回すコツです。
曜日とリセットする場所を関連づけると覚えやすい
「いつかまとめて片づけよう」と思っても、そんな日はなかなか訪れません。そこで、提案しているのが10分程度の「片づけ習慣」です。一度、部屋をきれいに片づければ、あとは短時間のリセットできれいをずっと維持できます。