何度片づけても、数日立つとまた散らかってしまう……という悩みを抱える人は少なくないでしょう。お片づけ習慣化コンサルタントの西崎彩智さんは「片づけ!となるとクローゼットから始めてしまう方も多いのですが、絶対にキッチンから始めることをおすすめします。そこには大きな理由が5つあります」といいます――。

※本稿は、西崎彩智『キッチン「から」片づければ、家は必ずキレイになる!』(小学館)の一部を再編集したものです。

きちんと整理されたワードローブ
写真=iStock.com/Rike_
※写真はイメージです

最初に片づけるべきは「クローゼット」じゃない

キッチンから片づければすべてがうまくいく。これが、私のお片づけメソッドの最大の特長です。キッチンが片づくと料理の段取りが良くなり、短い時間で、しかもおいしい料理が食べられます。その後の余った時間はあなたのものになるのです。

また、キッチンが片づけられればリビングも子ども部屋も片づけられる人になっていきます。片づけ! となるとクローゼットから始めてしまう方も多いのですが、絶対にキッチンから始めることをおすすめします。そこには大きな理由が5つあります。

キッチンから片づけると上手くいく! 5つの理由

1.片づけモチベーションが高まる場所

あなたは一日のうち、クローゼットの扉を何度開き、そこで何分過ごしていますか? おそらく多くの方は、朝着替える時と、夜洋服をハンガーにかける時の2回。

それに比べてキッチンでは、毎日2時間以上の料理時間に加え、洗い物、買ってきたモノを冷蔵庫や棚にしまう、その他こまごました作業を入れると、かなり長い時間を過ごします。ある調査によると、主婦が料理にかける時間は1日に2時間12分。キッチンが片づいて気持ちのよい空間になれば、家にいる時間の多くが気持ちよく過ごせます。必要性に加え、家の中でいちばんモチベーションが高まるのがキッチンなのです。

2.家族が変化に気づきやすい

コロナ禍以降、家族も料理をするようになったという方が増えています。キッチンがキレイになれば、家族はその変化にすぐ気がつくでしょう。たとえ料理をしないにしても、キッチンが一緒に暮らす家族の視界に入らない家の間取りはあまりないでしょう。

残念ながら、あなたのクローゼットが片づいたところで、家族はなかなか気がつきません。つまりキッチンは、もっとも家族が変化に気づきやすい場所なのです。気づいた家族から、「なんか、キレイになったね」「頑張ったね」などと言ってもらえると、もっと片づけよう! と、モチベーションは高くなります。

子ども部屋から片づけた人もいたが…

3.「キッチン片付け」の仕組みは他の部屋にも応用可

クローゼットはある程度、形や長さが決まっているので、収納方法は簡単です。これに対して、キッチンの中にあるモノは大きな鍋や平たいお皿、お箸やお玉など、こまごました調理道具に、さまざまな調味料と、大きさも形も幅広く揃っています。これらを機能的に片づけられる仕組み作りを身につければ、その仕組みを同じように細かいモノが多い洗面所やリビングはもちろん、寝室などの他の部屋に応用することができます。

4.キッチンのモノは数字で管理しやすい

片づけを洋服や本などから始めると、そのモノの処分について「どうしよう?」と迷う瞬間が多く、手が止まりがちになります。その点、キッチンにあるモノの多くは、賞味期限や消費期限があり、目に見えて管理しやすい食材です。その日付を見るだけで残すべきか捨てるべきかがわかるので、モノを捨てるのが苦手な方でも判断しやすいです。また、毎日使っているモノが多いので、使っていないモノが明確にわかります。判別のハードルが下がりやすいです。

5.家族に影響が広がりやすい

以前、ある受講生から「キッチンより子ども部屋を片づけたい!」と希望され、子ども部屋から片づけたことがあります。片づきはしたのですが、すぐにまた散らかってしまいました。

その大きな理由は2つあります。ひとつは受講生自身に片づけの方法や習慣が身についていないので、子どものフォローができなかったこと。もうひとつはまだキッチンなど自分のエリアを片づけていない母親から「片づけなさい」と言われた子どもが、「ママだってやってないじゃん!」と反発したことです。お手本を示せない人からいろいろ言われても、人はやる気にならないものです。

その意味でも、キッチンという目につきやすい場所を片づける姿を見せると家族への波及効果も期待できます。というわけで、まずはキッチンから片づけていきましょう!

実践! 冷蔵庫の片づけ方

準備体操として冷蔵庫を片づけることをおすすめします。

冷蔵庫はごく限られた空間なので、片づけの仕組み作りの基本を身につけるのに最適なのです。それに、冷蔵庫はキッチンの中で確実に、もっとも家族みんなが使うモノ。そこが片づけば家族にも「何か始まったみたい」と気づいてもらいやすいでしょう。

冷蔵庫に入れる量は総容量の7割に

冷蔵庫の「いるモノ」「いらないモノ」は賞味期限を見れば明確ですから、分けるのは簡単です。総量は庫内の7割程度に減らしましょう。これくらいの物量なら冷蔵庫の奥にあるモノが見えます。また、冷気が十分に回ります。庫内がギュウギュウに詰まっていると、それだけ冷気が行き届きにくく、電気代もかさみます。

冷蔵庫の棚の使い方は、家族の身長に合わせて考えましょう。

私の例ですが、身長が低いので冷蔵庫の上の棚は手が届きにくい。そこで上の棚には、手前に引き出しやすいように大きめのタッパーやトレイをセット。そこに使いかけの食材(カレールーの余りとか)など、あまり使う頻度の高くない食材を入れています。

手が届きやすい下の段には、よく使う食材を入れます。常備菜など早く食べ切りたい食材も下の段です。また、小さな子どもがいるなら下の段は子ども用、上の段は大人用と分けてもいいですね。ビールなどのアルコール類は当然、上の段です。

冷凍庫は「立てて入れる」が基本

奥底から何が出てくるかわからない恐怖の冷凍庫になっていませんか? 食材をヨコにして重ねていくと、どんどん下のモノが見えなくなりますね。冷凍庫は「立てて入れる」が基本です。100均で売っている金属製のブックエンドは仕切り板として優秀です。金属なのでキンキンに冷えても割れません。

メーカーや機種によりますが、冷凍庫は上下2段に分かれているものが多いと思います。私の家の冷凍庫は上の段が浅く、製氷器がついています。私は製氷器の隣のスペースを冷凍前の食材を「平らにするスペース」として使っています。

トレイ入りの冷凍食品など何もしなくても立つ食材はいいのですが、肉や魚などはそのままでは立ってくれません。それらはまずフリーザーバッグに入れて製氷機ヨコのスペースに寝かせておき、凍ったら下の段に「立てて入れる」のです。

肉や魚などの食材は凍らせて立てて収納。
肉や魚などの食材は凍らせて立てて収納(書籍「キッチン『から』片づければ、家は必ずキレイになる!」より引用)

もう野菜室にタマネギの皮が散乱しない裏技

引き出しタイプの野菜室には、タマネギの皮やジャガイモの皮などがポロポロとはがれ落ちてたまります。これはマチのある紙袋で解消できます。

野菜室の高さや大きさに合わせて袋をいくつかセットして、野菜はその中へ。こうすれば野菜かすがたまることはありません。袋は使い古したら取り替えましょう。私はよくスタバの紙袋を利用しています。上の方を折り返すと、丈夫で使い勝手のいい収納袋になります。

紙袋のほかにはタッパーをひとつ入れておき、使いかけのニンジンやキュウリなど小さな野菜を入れています。じかに入れると奥へ奥へとさまよい、やがてカピカピになって発見されることがよくあります。

紙袋とタッパーで、小さなかけらを埋もれさせない仕組みを作りましょう。

マチのある丈夫な紙袋を有効活用すれば、野菜のかすが野菜室にたまらない。使いかけの小さな野菜はタッパー
マチのある丈夫な紙袋を有効活用すれば、野菜のかすが野菜室にたまらない。使いかけの小さな野菜はタッパー(書籍「キッチン『から』片づければ、家は必ずキレイになる!」より引用)

冷蔵庫を片づける前には写真を撮る

はじめに冷蔵庫を片づけるメリットがもうひとつあります。自分の献立の傾向が見えてくることです。あらためて冷蔵庫の中を見渡すと、よく使う食材、1カ月に1回くらい使う食材、1年に1回も使わないかもしれない食材などが見えてきます。普段、どんなメニューを多く作っているのか、よく理解できます。

西崎彩智『キッチン「から」片づければ、家は必ずキレイになる!』(小学館)
西崎彩智『キッチン「から」片づければ、家は必ずキレイになる!』(小学館)

自分の献立の傾向を知っておくことは、「キッチンの片づけ」にとても有効です。献立が違えば、キッチン内の動きも違ってきます。調理道具や使う調味料の最適な収納場所もおのずと変わってくるのです。

たとえば、下味をつける料理が多い人なら調味料はコンロまわりではなく、調理台周りにあるほうが便利です。冷蔵庫を片づけることで、キッチンの片づけのイメージが湧いてくると思います。

なお、冷蔵庫を片づける前に写真を撮りましょう。冷蔵庫、冷凍庫、野菜室、すべて撮っておきます。片づけが済んだら同じ角度で撮影しましょう。冷蔵庫ビフォー/アフターを見比べてください。

キレイに片づいた冷蔵庫。しかしそこで終わりではありません。実際の使い勝手を検証しましょう。冷蔵庫は家族もひんぱんに使います。家族にとっても使いやすい仕組みになっているでしょうか? 1週間後、キレイな状態が維持できていれば合格です。