※本稿は、石阪京子『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
枕棚に保管すべき住宅関連書類
不動産を所有されている方は、住宅関係の書類を持っておられるはずです。中でも絶対になくしてはいけないのは、「不動産売買契約書」です。
不動産売買契約書には、何をいつ、いくらで購入したかなどの情報が記載されています。この中で特に重要な情報は「いくらで買ったか」です。
以前、うちの不動産業のお客様にこんな方がおられました。40年ぐらい前に購入した戸建てを売りたいとのこと。物件があるエリアは、物件を購入した40年前と比べると、土地の価格が下がってきているエリアです。でも、不動産売買契約書がどうしても見つかりません。そのため、本当は仮に3000万円で購入して、現在は2000万の値だとしても、それを証明できません。だから、購入時よりも高い値がついていることにされて、利益を得たとみなされることがあるんです。そうすると、たくさん税金を取られます。
なくしてしまった場合の対策が、ないこともないのですが、非常に厄介なので、この書類はしっかり発掘して大切に保管しておいてください。
残すべき書類は「お金に換わるか」で見極める
住宅関係で大事な書類を見極めるポイントは、「お金に換わるか」ということです。
例えば、独自に白アリ駆除をしました。それは、住宅の価値を上げることにつながるので、取っておくべき書類になります。
なお、住宅関係の書類を取っておくのは、次に不動産を売却する時必要になるからです。それまでは、寝室の枕棚などに保管しておきましょう。
「もしも火事が起きて、持って逃げなくちゃという時に取り出しにくい場所だと不便じゃないですか?」と聞かれたことがありますが、そういう場合は「マネーボックス」だけを持って逃げれば大丈夫。
不動産の書類は、たしかになくすと厄介ですが、ちゃんと登記はされているので、いざとなったら本人証明さえできれば不動産を所有している証明はできます。だから、非常時には命を優先してくださいね。
資格の合格証明書は金目の紙
最終学歴の証明書や国家資格の証明書などは、金目の紙ではないと思われがちなのですが、そうではありません。実は、信用と引き換えにお金を生む、金目の紙です。
というのは、住宅ローンを借りる時に銀行の人に見せることがあるからです。不動産の仕事でお客様と一緒に銀行へ行くと、その方が美容師や柔道整復師などの資格をお持ちの場合、証明書を出すように言われることがけっこうあります。そうやって、技能を紙で証明することで、ローンの審査が通りやすくなるケースがあるのです。
国家資格に限らず、履歴書に書けるレベルで、仕事につながるような資格の証明書はすべて“金目”です。また、英検などは、証明書を提示することで受験や就職活動で優遇されることもあるので、大切に保管しておきましょう。
ただし、取っておくのは一番難易度の高いレベルのものだけでOKです。英検3級、2級、1級を持っているのであれば、1級だけ取っておけばよいです。
卒業証書も、要るのは最終学歴だけ。小学校の卒業証書は、仕事につながるわけではないので、金目の紙ではありません。
これらの賞状系は、「賞状ファイル」というA3サイズが収まるファイルにひとまとめにして保管しておきましょう。頻繁に出し入れするものではないので、枕棚やロフトなどに置いておくといいですよ。
ゴルフの会員権は、大損の可能性あり⁉
互助会の権利書、積み立ての証明書なども大事な資産です。ただし、ゴルフの会員権は、逆に負の資産になっていることがあります。
年会費を払うメリットを享受するペースで通っているならいいですが、ほとんど利用していないのに、お金だけを払い続けているとしたら大損です。また、長らくお金を払っていないと、権利を放棄させられる契約内容のものもあるようです。ですから、ゴルフの会員権を見つけたら、利用状況を考えて早急に対処しましょう。
確定申告の書類は10年保管
質問が多いのは、確定申告にまつわる書類です。公共料金の領収書は、お勤めの方は捨ててかまいませんが、確定申告で必要な方は残します。事業用の古い通帳も、確定申告をしている方は残しておいてください。これらの書類の保管期間は、5年、7年など色々な説があるのですが、10年取っておけば間違いありません。
ちなみに、私はその年の確定申告で使う領収書は、「領収書ボックス」を作ってオリジナルファイリングで管理しています。買い物でもらった領収書をジップロックに入れ→夫に渡し→夫が出納帳入力を行い→入力済みの領収書を1月〜12月まである持ち出しフォルダーに分けて入れ→税理士さんにお渡ししています。領収書をドサッとボックスに入れて、後からまとめて入力する方もいると思いますが、予め月別のフォルダーに分けて入れていくと時短になりますよ。