家庭でごちゃつく、サイズも種類もバラバラな家族分の必要書類。「キレイに片付かない」と悩む人は少なくないでしょう。片付けアドバイザーの石阪京子さんは「ポイントは『きれいに収納するのではなく、出し入れしやすいようにする』ことです。使うシーンを想像して、取り出す手間をなるべく省ける形で入れておくと効率的」といいます――。

※本稿は、石阪京子『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

オフィスで白いヘルプ フラグを保持している実業家
写真=iStock.com/AndreyPopov
※写真はイメージです

A4に揃えて検索性アップ!

紙は寝かせたら最後。どんどん山積みになっていき、その下に何があるかわからず迷宮入りになります。

ですから引き出し式のものは紙を収納するのに適していません。

たしかに、レターケースは会社で使う分にはいいと思うんですよ。宅配便の伝票など、同じ紙を何十枚も保管するには適しています。

でも、一般的なご家庭で、同じ紙が何十枚もあることってあまりないですよね。結局、種類の違う紙が、一つの引き出しでごちゃごちゃに積み重なっていくことになります。そうすると、もう見つかりません。

それを避ける鉄則は、紙は立てて収納することです!

立てて収納する時は、形をA4にそろえます。

なぜなら、紙というのは色々な大きさがありますよね。水筒の小さい保証書とか、保険証とか、パスポートとか、A4の書類とか。これらを、次のページで紹介するグッズを使ってA4に統一します。そうすれば、ボックス内で紙が積み重なることなく、パッと取り出せるようになるからです。

イメージ的には、ファイルボックスの中に引き出しがたくさんある感じです。

ファイルボックスの中の紙は、「フォルダー」「ポケットリフィル」「スティックファスナー」などのグッズを使って仕分けていきます。

「必要な紙を5秒で取り出す」マストアイテム

【フォルダー】

フォルダーには2種類あります。「個別フォルダー」と「持ち出しフォルダー」です。

「個別フォルダー」というのは、二つ折りになった厚紙のようなモノです。ノートの表と裏の紙だけがあって、中身はスカスカのようなイメージ。

これのいいところは、しまいやすくて、取り出しやすく、全ての紙を広げて確認できるところです。ぺらっと開くので、そこにポイッと挟めますし、パッと取り出すこともできます。

ホールド感がなく不安だと言われることもあるのですが、紙というのは、入れっぱなしにはなりません。捨てる時や、使う時が必ず来ます。がっちり収納してしまうと、出すのに時間がかかります。手軽に出し入れできるようにするのが、ホームファイリングの目的です。

「持ち出しフォルダー」というのは、薄い長方形の入れモノで、長いほうの辺の一方が開いています。

これのいいところは、入口以外は閉じられているので、中身がこぼれないことです。マチがあるので収納力がそこそこありますし、このまま持ち運べるのがメリットです。

フォルダーではなく、クリアファイルや封筒に入れてはダメですかと聞かれることがありますが、検索性が落ちると思います。フォルダーに比べると開けるのに時間がかかりますし、見出しを書く欄がありません。個別フォルダーと持ち出しフォルダーは見出しを書く欄が目立つように飛び出ているので、ファイルボックスの中にあっても、目次を引くような感覚で、すぐにそこへアクセスできます。

ちなみに、紙製のフォルダーに見出しを書く時は、消せるペンを使うか、マスキングテープを貼った上に書くと便利。チーム分けの名前を変えたい時に融通が利きます。

【ポケットリフィル】

「ポケットリフィル」というのは、「個別フォルダー」に差し込んで使うクリアなポケットです。A4や、A4の2分割、4分割、8分割など色々な種類があります。例えば、年金手帳ぐらいのサイズだったら2分割されているリフィルに入れ、ショップカードぐらいの大きさだったら8分割されているものに入れます。こうやって、大きさによってポケットリフィルの種類を使い分けていきます。ポケットリフィルを使うメリットは、A4サイズにまとめられるので細かいモノがバラバラにならないことです。

【スティックファスナ―】

「スティックファスナー」は、ポケットリフィルを個別フォルダーに綴じるために使うグッズです。個別フォルダーに空いている穴と、ポケットリフィルの穴に通して綴じることができます。

なお、ファイルボックスには縦型と横型がありますが、縦型だと、個別フォルダーにはさんだ紙が落ちてしまうので私は横型がおすすめ。もし、スペースの関係上、縦型のファイルボックスしか置けない場合は、持ち出しフォルダーの縦型バージョンを使って下さい。

ちなみに、100均で売っているようなクリアファイルフォルダーに書類を収納している方も多いですが、私はあまりおすすめしません。クリアシートの表裏にも入れきった後、真ん中に紙をはさむようになり、紙がバサッと落ちるケースが後を絶たないからです。自分で穴を空けて綴じるタイプも、結局、先送りにして紙が溜まりがちです。

目的は「きれいに収納する」ことではない

何をどのようにチーム分けして、個別フォルダーor持ち出しフォルダーに収納するかというのは、迷われるところだと思います。

考え方の大前提は、「きれいに収納するのではなく、出し入れしやすいようにする」です。

具体的には、

・後日出ていく書類→個別フォルダーにはさむ
・カードなどのこまごましたもの→ポケットリフィルに入れて個別フォルダーにとじる
・存在を際立たせたい紙や、かさばる紙、そのまま持ち運びたい紙→持ち出しフォルダーに入れる

例えば、制服申込書や予防接種の紙など、近々出ていく予定の紙は、丁寧に綴じるのではなく、個別フォルダーにはさんでおけばOKです。

使うシーンを想像して、取り出す手間をなるべく省く

ぺら1枚の紙ではなく、診察券やキャッシュカードなど、こまごましたものはポケットリフィルに入れて、個別フォルダーに綴じます。こうすると、ノートのようにめくることができるので、見つけやすくなります。

石阪京子『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)
石阪京子『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)

なお、ポケットリフィルに入れる時は、1ポケット1アイテムではなくても大丈夫です。例えば、ショップカードとその店のクーポンを同じポケットに入れるなど、使うシーンを想像して、取り出す手間をなるべく省ける形で入れておくと効率的です。

持ち出しフォルダーは、存在を際立たせたい重要な紙や、よく使う紙を入れるのに便利。納税証明書や源泉徴収票を入れておいたり、毎月使う月謝袋+新札を入れておいたり。マチがあるので枚数が増えても入れやすいのも特徴。

領収書を保管する必要がある場合は、月ごとに持ち出しフォルダーに投げ込み収納をするとラクチンです。また、必要に応じてそのまま持ち出すこともできるので、例えばPTAの役員をされている場合は、入校証や議事録、ノートなどをセットで入れておくと忘れ物がありません。