日の当たらない場所から日の当たる場所へ、自分の人生を逆転させることは可能なのか。弁護士でありユーチューバーとしても活躍する岡野武志さんは「私が高校卒業後、10年間のフリーター生活を経て、28歳で司法試験に合格した逆算式のメソッドを利用すれば、最短ルートで人生を逆転できる」という――。

※本稿は、岡野 武志『人生逆転最強メソッド 書き込みワークで即体感。やるべき「目標」が見えてくる』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

机の上に開いて置かれた本の横には積まれた複数の本
写真=iStock.com/utah778
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「積み上げ式」と「逆算式」の2つのルートがある

私が日本最難関の試験ともいわれていた司法試験に高卒から合格できたのは、【逆算式】の目標達成法を身につけたからでした。

目標を達成する方法には大きく分けて【積み上げ式】と【逆算式】の2つのルートがあります。【積み上げ式】は、スタートからゴールに向かって実力を積み上げていき、そのときそのときの課題をクリアしていくものです。これに対して、【逆算式】は、ゴールから逆算して、ゴールとの関係で必要な課題を見つけ出し、その課題をゴールとの関係で必要な限度でクリアしていくという方法です。

司法試験は改正が行われ、2006年から法科大学院(ロースクール)を卒業するルートができ、難易度が下がったと言われているのですが、私が合格した旧制度の司法試験は、合格率が数%しかない超難関試験でした。

もちろん、高卒でチャレンジする人はほとんどおらず、周囲のフリーターの友人に司法試験の話をしたときも、イタい人を通り越して、ちょっとヤバい人と思われるほどのぶっ飛んだ挑戦でした。

大卒は免除されるが高卒は受けなければいけない一次試験

司法試験は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験ではいわゆる一般教養、二次試験で法律に関する試験が行われます。一次試験は大学3年生以上なら免除されるのですが、大学1、2年生でチャレンジする人や、私のような高卒の場合、一次試験からトライしなければなりません。

正直、23歳で初めて司法試験にトライしたときは、「俺やったら初受験で一発合格できるんやないか」と思っていたのです。もともと学生時代から要領が良く、勉強もそれなりにはできるほうだったので、いまから振り返れば完全な「井の中の蛙」ですが、当時は身の程知らずで軽く考えていたのですね。

しかし、蓋を開けてみると、23歳で勉強を始めた直後に受けた一次試験が不合格だったときは、「まあ、本試験の雰囲気を感じるために試しに受けてみただけだし、仕方がないか」と思ったのですが、翌年も一次試験で不合格だったときはさすがに落ち込みました。

参考書を読んで知識を詰め込んでも意味がない

そのとき、どんな勉強法をしていたかというと、コツコツと参考書を読み込んでいく【積み上げ式】の学習をしていたのです。でも、それではまったく歯が立ちませんでした。当時の私は、演習問題から逃げていたんです。結局、やってもほとんどできないので、「まずは参考書を読み込んで、知識を詰め込むことが大切だ」思い込んでいたのです。

でも、そこに問題はありました。「このままじゃまずい」と、私が取り組んだのは過去問題の研究です。とにかく何十年分も過去問を解いて研究し、自分が苦手な分野の演習問題に集中的に取り組みました。

そのときは司法試験もすでに5回目のチャレンジにさしかかっていました。回り道をしてしまいましたが、過去問を研究し、自分の課題に徹底的に向き合う逆算の学習を取り入れ、ようやく成果が上がることに。最終的に、当時の合格までの平均年数が7年だったところを、5年で合格することができました。

鉛筆で書き込もうとしている手元
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最短ルートで目標を達成する4つのステップ

みなさんは私のように回り道せず、ぜひ最短ルートで目標を達成してください。そのために、私が失敗を続けて得た逆算ノウハウを共有したいと思います。具体的なステップは次のとおりです。

1 目標を正確に把握する
2 現状を正確に把握する
3 目標にたどり着くまでの課題を抽出する
4 項目ごとに細分化して取り組みやすくする

では具体的にどうすればいいのかについて説明しましょう。

1 目標:目標を数字や固有名詞で把握しているか

目標からゴールを逆算するためには、まず目標を具体的に把握することが重要です。例えば、「TOEIC800点」「ファイナンシャルプランナーを取得する」というように具体的な数字や資格試験名、狙いたいポジション名が入っているかどうかをチェックしましょう。

ここでいかに目標を具体的にできるかが、その後の目標達成に大きく関係してきます。

2 現状:いまの自分の実力を正確に把握しているか?

次に、自分の現状を正しく把握しましょう。大抵の人は、自分の現状を過大に評価しているか、過小に評価しているかのどちらかです。「自分の現状と比べて目標が高すぎる」というのは何の問題もありませんが、「自分の現状を正しく把握できていない」というのは非常に問題があります。なぜなら、現状が正しく把握できていないと、目標を達成するための課題が浮き彫りにならないからです。

例えば、同じTOEIC800点を目標にするにしても、いまのレベルが200点なのか、600点なのかによって、勉強の内容や頻度、方法が大きく異なってきます。現状を正しく把握するためには、未経験でもまずは実戦で試してみるのが一番です。

勉強であれば時間を測って過去問を解いたり、スポーツであれば目標としているレベルの人の胸を借りて、自分がいかに目標からほど遠いか、いまの自分の実力を正確に把握しましょう。

徹底的に自分の弱点をあぶり出す

3 課題:目標と現状の差を埋めるための課題を把握しているか

目標と現状が正しく理解できたら、残りは簡単です。

岡野 武志『人生逆転最強メソッド 書き込みワークで即体感。やるべき「目標」が見えてくる』(KADOKAWA)
岡野 武志『人生逆転最強メソッド 書き込みワークで即体感。やるべき「目標」が見えてくる』(KADOKAWA)

目標と現状の差を埋めるための課題が、自然と見えてくると思います。目標を決めるときは、自分の強みが活きる分野を選ぶ必要がありますが、この過程では徹底的に自分の弱点をあぶり出す必要があります。自分の現状が弱々しく、弱点だらけだったとしても、落ち込む必要はありません。

この過程で多くの弱点が見つかったということは、それだけ取り組むべき課題が明確になったということです。成長の「伸びしろ」があるということなので、これからがとても楽しみです。

これらを踏まえて次のワークをやってみましょう。