読書で知識を増やしたい、人生を変えたいと思うけれど、どの本を読めばいいかわからない。登録者80万人超のYouTubeチャンネルを運営する本要約チャンネルさんは「本を選ぶ前に、本の要約サイトを活用し、本を読む目的を具体化・明確化するといい」という――。

※本稿は、本要約チャンネル『「読む」だけで終わりにしない読書術 1万冊を読んでわかった本当に人生を変える方法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

コーヒーを飲みながら本を読んで
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「本を読むといつも数ページで飽きてしまう」あなたへ

本は多くのことをかなえてくれますが、ただ本を読むだけでは何も変わりません。人生を変えるためには本を読み、実践することが重要です。ここでは1万冊以上の本を読んできた僕たち本要約チャンネル流・読書術の一つ「目的型読書」について紹介します。これは、

・本を選ぶ前に、本の要約サイトを活用し、本を読む目的を具体化・明確化する。
・本の表紙や帯、目次、著者のプロフィール、まえがき、書評、読者レビューなどをチェックし、目的に合致する本を絞り込む

というものです。

目的型読書は、「本を『読む』だけで終わりにしない」ための、非常に重要なステップであり、目的型読書を実践すると、まず、

「読書で知識を増やしたい、人生を変えたいと思うけれど、どの本を読めばいいかわからない」
「本を読むといつも数ページで飽きてしまう」
「悩みが解決し人生が変わるという期待をもって本を読んだのに、役に立たなかった」

といったことがなくなります。

読書が成功するかどうかは、本を買う前に決まっている

本との出会いは、いつどんな形で訪れるかわかりません。目的もなく、なんとなく書店に行き、棚を眺め、「売れているから」「ふと目についたから」といった理由で買った本が、新たな世界の扉を開いてくれたり、あなたにとって人生を変える一冊になったりすることもあるでしょう。

しかし、そのようななりゆきで買った本は、時間を費やして読んでもピンとこなかったり、あまり役に立たなかったり、あるいは数ページ読んだだけで、飽きて投げ出してしまったりする可能性も十分にあります。

それでは時間とお金のムダ遣いになってしまいますし、もともと本を読むことがあまり得意でない人は、ますます本が嫌いになってしまうかもしれません。

その点、本を選ぶ際に、さまざまな情報をもとに、本を読む目的を具体化・明確化し、その目的に合致する本、信頼性の高い本、読みたくなるような本を選ぶことができれば、その本があなたの人生を変える、あなたにとって最高の一冊になる可能性が高まります。

本は、たくさん読めばいいというものではありません。

たとえあなたが忙しくて、もしくはあまり読書が得意ではなくて、年に数冊しか本を読めなくても、何のために読むかをはっきりさせ、それに合致する本を選ぶことで、十分に価値のある読書体験をすることができます。

買って読んでから「その本が役に立つかどうか」を判断するのではなく、買う前に判断を終えておくことで、その読書の成功率は飛躍的に高まるのです。

自分の課題を解決してくれる本をどう探せばいいか

では、本を読む目的をいかに具体化・明確化するか、どうやって目的に合致する本を見つけるかについて、詳しくお話ししましょう。

ブックを選択する
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まず、ここでいう「目的」とは、基本的には「本を読むことで、どんな課題を解決したいのか」「どのような効果を得たいのか」といったことを指します。

たとえば、「健康になりたい」「お金を増やしたい」「事業を起こしたい」など、すでに本を読む目的、つまり、本を読むことで解決したい課題がある人は、もう少しその課題を深掘りしてみましょう。

「健康になりたい」なら、特定の病気や体の不調を改善したいのか、健康に悪いものを排除したいのか、食事を管理して健康になりたいのか、運動によって健康になりたいのか。「お金を増やしたい」なら、節約術や貯金術を知りたいのか、投資をしたいのか。

さらに、投資なら、株を買うのか投資信託を買うのか、不動産投資をしたいのか。それによって、読むべき本は変わってきますし、目的を具体化すればするほど、読むべき本を絞り込むことができるようになります。

日ごろの不満こそ「本を読む目的」の種になる

「解決したい課題が見つからない」という人は、あらためて、自分自身や自分の生活、人生に関して不満に思っていること、「もっと~だったらいいのに」と思っていることがないか、考えてみてください。

「もっと料理がうまかったらなあ」「もっと痩せたいなあ」「もっと仕事に集中できたらなあ」など、なんでもかまいません。

「こんな内容でいいのかな」などとストッパーをかけず、自分の気持ちに正直になってみてください。

不満や願望こそ、『本を読む目的』の種なのです。

そのうえで、「どのような料理の腕を磨きたいのか」「どのようなダイエット方法なら無理せず続けられそうか」といった具合に、この種をさらに具体的に掘り下げてみましょう。

自分一人でゼロから探すのは時間のムダ

本を読む目的(解決したい課題)を掘り下げる際に役にたつのが、本の要約サイトです。「本要約チャンネル」を運営している僕たちですが、ほかの本要約サイトや要約記事なども、よくチェックしています。

本要約チャンネル『「読む」だけで終わりにしない読書術 1万冊を読んでわかった本当に人生を変える方法』(アスコム)
本要約チャンネル『「読む」だけで終わりにしない読書術 1万冊を読んでわかった本当に人生を変える方法』(アスコム)

「その本が、自分が読むべき本かどうか」を判断するうえで、本の内容を誰かがかみ砕いて説明してくれている記事や動画は、非常に参考になります。

あるいは、そうしたサイトを見て「読みたい」「もっと内容を詳しく知りたい」と思ったものを買うことも、よくあります。

本要約サイトのメリットは、「本そのものを読まなくても、ある程度の知識を手に入れることができる」点にあります。

食べたことがないジャンルの料理の味が想像できないように、まったく知らないジャンルについて考えを深めようとしても、限界があります。

たとえば、投資商品や投資方法には、株式、債券、投資信託、不動産、NISA、iDeCoなど、さまざまなものがあります。あなたが投資をしたいと思ったとき、投資についてまったく知識がなければ、投資にいろいろなやり方があることも、そのうちのどれがあなたに合っているかもわかりません。

投資の基礎知識的な本やネットの記事を読めば、投資の種類やそれぞれの内容は把握できるかもしれませんが、より詳しい情報や精度の高い情報を得るためには、専門家が書いた本を読むのが一番です。

ただ、おそらくほとんどの人は、なかなかすべての投資方法についての本を読むことはできないでしょう。そのようなときに役に立つのが、本要約サイトです。

世の中に誕生した新しい考え方を手軽に知る方法

本要約サイトで、さまざまな投資に関する本の要約を眺めるうちに知識が増え、「できるだけリスクが少ない方法がいい」「不動産投資は自分には合わない」など、考えがどんどん具体化されていき、「投資でお金を増やしたい」という漠然とした思いが、「つみたてNISAで投資信託の運用をしたい」といった具体的な目的に変化していくはずです。

また、「FIRE」(Financial Independence, Retire Earlyの略で、経済的に自立し、早期リタイアすること)や「プロセスエコノミー」(完成品ではなく、過程を見せて、顧客を巻き込むこと)など、世の中では次々に新しい考え方が生まれています。

僕たちはこうした新しい考え方、新しいジャンルについて知りたいと思ったときも、たいてい、FIREやプロセスエコノミーについて書かれた本の要約をチェックします。

そこで、「FIREやプロセスエコノミーについての本には、だいたいどんなことが書かれているか」を確認し、特にひっかかるものがなければ、そのジャンルに関する本は読みませんし、「FIREにからめて、こういうことをやりたい」「プロセスエコノミーについてもっと知りたい」といった考えが浮かんだとき、つまり目的が生まれたときには、「そのジャンルに関する本の中で読むべきものを探す」というステップに進みます。

そういった準備をせずに、知らないジャンルの本を「なんとなく」買ってしまうと、結局、時間やお金のムダになりかねません。

本要約サイトなどを上手に活用することで、知識を広げ、「自分はどんなことに向いているのか」「自分はどんなことをやりたいのか」と考えを深め、本を読む目的を具体化させることは、より良い一冊を見つけるための第一歩なのです。