※本稿は、佐藤ブゾン貴子『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
相貌心理学が分かれば「本当の自分」を知ることができる
相貌心理学を学ぶメリットはたくさんありますが、そのうちもっとも大きなものが、「本当の自分を知る」ということです。
私が行うセミナーでは、まず自分の顔を分析して内面を知ってもらうのですが、多くの人は案外、自分自身のことを理解していないものです。
自分自身のことがわかれば、悩みや不安は解決できます。なぜなら客観的に問題を捉えて、具体的に対処することができるからです。
とはいえ、客観的に自分を見ることは、なかなか難しいもの。
そこで自分自身を客観的に理解するツールとして、相貌心理学を活用するのはいかがでしょう。
例えば、あなたの目や口などの顔のパーツから、現在のあなたの心の状況を客観的に把握することができます。それではセルフマネジメントに活かせるパーツをさらにご紹介していきましょう。
「独立心」を表す耳
耳は形や耳たぶの大きさではなく、正面から耳が見えるか見えないかで判断します。耳は「独立心」を表します。正面から耳が見える場合は、独立心や自立心が強く、何でも自分でやろうとする傾向があることを示しています。
しかし長年、他の人から指示されて、自分のやることに対して主体性を持てない立場にいると、正面から見えていた耳が少しずつ隠れていくことがあります。「どうせ自分が何をしたって物事は変わらない」と思い込み、消極的に過ごしているうち、耳の角度が傾斜していくという外形の変化に結び付いていくのです。
反対に、今まで隠れていた耳が正面から見えるようになったら、独立のチャンスです。相貌心理学の見地からは、起業する、あるいはフリーランスになるにはちょうどいいタイミングと言えるのです。
顔の肉付きは「寛容性」や「順応性」を表す
顔の肉付きが示すものは、社会に対する寛容性や順応性、社交性です。顔の肉付きが豊かという状態は、太っている状態とは違います。太っていても、頰はのっぺりしているとか、平坦に見える人もいます。横顔を見たとき、頰を中心にふっくらしている状態が肉付きの豊かな状態です。
肉付きが豊かな人は、どんな場所でも寛容性や順応性を発揮しやすいコミュニケーション上手の傾向があります。新しい環境や他人を受け入れやすく、社交的である一方、細かいことはあまり気にしないため、相手によってはがさつと思われてしまうこともあります。
一方、肉付きが薄い人は、狭く深いコミュニケーションを好みます。というのも、肉付きは感受性を覆うカバーのような役割を果たしているからです。感受性がカバーされていないということは、周りに対して敏感になりがちということです。
ですから、肉付きの薄い人は、自分が選んだ環境や相手に対してだけ心を開き、「素」を見せる傾向があります。
頬のハリがあるときは困難に立ち向かうチャンス
また、肉付きが豊かなだけでなく、頰の辺りがプリッとしていてハリがある人がいます。ハリは、モチベーションの高さと問題に対する抵抗力を表し、ハリがある人は問題があったときにも何とか乗り越えていこうとします。
ですから、もしも今、あなたの顔の肉付きがプリッとしていてハリがあると感じるなら、目の前の困難を乗り越えられる力があるということです。
しかし、肉付きがちょっとブヨブヨしていてハリがない状態であれば、困難を乗り越えていくのはやや難しい状態です。まずは休息の時間をとり、今の方法を見直して、他の方法や環境を模索する時期かもしれません。
口は「社会との窓口」
相貌心理学で口は「社会との窓口」です。他者とのコミュニケーション方法や周囲の環境をどう受け入れるかなどを表しています。
唇が厚い人は温厚で穏やかな傾向があり、あたたかい言葉を人にかけるのが上手です。
唇が薄い人は、論理的で的確な指摘ができることを示します。悪気はないのですが、口調が冷たく感じられることもあります。
この唇の厚みも、内面の変化によって少しずつ変化していきます。
特に他者を受け入れる寛容性が高くなってくると、唇の厚みが増していきます。いきなりぷっくりとは膨れないものの、徐々にふくよかになってくるのです。
口の非対称は要注意
また、口角が上がっているときは物事をポジティブに捉えられる傾向を示し、口角が下がっているときは、物事をネガティブに捉えがちな傾向を表します。
これも環境によって変わっていきますから、口角が下がっていると感じたときは、今の環境や自分の内面を見つめ直し、前向きな気持ちになれる方法を考えてみましょう。
さらに、口の左右の高さや長さが違うなど非対称になっているときは、内面に大きなストレスを抱えているのかもしれません。思っていることを表に出せないと、こうした歪みとして表れることがあるのです。
額は「思考のスピード」を表す
次に、変わらないと言われている額や頰骨、あごについても見てみましょう。
まずは額ですが、額の形状は「思考のスピード」を表しています。
額の形状に普段あまり注目することはないと思いますが、よく見てみると、人によって結構違うものです。
たとえば、横顔から見たときに、生え際から眉に向かって斜めになっていると、思考が速いということ。しかし速すぎて、他人の話を聞かない傾向も見られます。
横顔から見たときに、額がまっすぐな人は熟考したいタイプ。石橋を叩く慎重派です。
額に丸みがある人は、想像力が豊かですが、極端に丸い場合は夢想に走りがちです。
「愛されたい欲求」「成功欲求」を表す頰骨
頰骨は「愛されたい欲求」や「成功欲求」を表しています。
頰骨が大きくなるほど、これらの欲求が強い傾向があり、「人から認められたい」という承認欲求も強くなります。このタイプの人は「成功して人から認められたい」という欲求が強いので、目標を定めたときには大きな力を発揮します。
また頰骨が目立って大きく張り出しているような形状は、相貌心理学では「衝動性」を示しているとされています。ときに後先考えず、突っ走ることがあるようです。
あご先が表すのは「野心」の大きさと実現力
あご先の形状は、「野心」の大きさを表しています。
あご先が平らでどっしりしている人は、野心があり、自分に自信があるタイプ。
一方、あご先が細く尖っている人は、あまり自分に自信が持てない傾向があります。
また横顔から見たときに、あご先が眉頭より前に出ている人は、野心を自分の力だけで実現する力がありますが、その分、周りに自分の考えを押し付ける傾向があります。
横顔から見たときにあご先が眉頭より後退している人は、野心はあっても実現力に欠けるところがあります。このようなタイプは、後ろ盾になるビジネスパートナーや組織の存在があると、安心して物事に挑むことができます。
なお、このあごの形状も変わらないと言われていますが、私の個人的見解としては、自信や責任感を感じるなどの内面の変化によって、変わってくることもあります。
実際に家族ができたとか、多くの部下を抱えるようになった人が、徐々にあご先がしっかりしてくることがあるのです。自信がつくことで、輪郭全体がどっしりしてくる人もいます。
内面に変化があると顔も徐々に変わってくる
このように、環境の変化によって内面が変わると、顔も徐々に変わってきます。
生まれたときや子どもの頃の環境は自分で変えることはできませんが、成人した後には自分で環境を選ぶことができます。住む場所や働く環境、さらに周囲の人間関係は、あなたの内面に大きな影響を及ぼし、顔という外面も変えていくということです。
顔は「内面を表す鏡」です。ぜひ日々、自分の顔を客観的に見つめて、相貌心理学をセルフマネジメントにいかしてください。