迷惑をかけて謝るときも、チームで活動するときも「口先だけの人」は嫌われます。でも、初対面の頃は口達者で外交的な人のほうが、好感度は高いのだそう。その好感度が失墜していくプロセスとは――。
オフィスで、スマートフォンの画面を確認するチーム
※写真はイメージです(写真=iStock.com/kokouu)

口先だけで謝る人

謝罪の言葉に反省の行動や態度が伴っているかどうか、これはとても重要なポイントです。男性はとくに、この点を重視する傾向があります。女性はというと、意外なことに「口だけ」のところもあるという実験結果があります。

こう言うと、むむっ? と思う人もいるかもしれませんが、心理学の実験でそのことが証明されています。

カリフォルニア州立大学のメリンダ・ブラックマンは、インチキな心理テストの実験を受けてもらい、テスト後に参加者が実験室のドアを開いて出ようとしたとき、廊下にいた人とぶつかるという実験をしてみました。ぶつかるのは男性のアシスタントでした。アシスタントは、参加者がドアを開けるのを待ち構えていてわざとぶつかり、手に持っていた書類を床に落としてしまうのです。

ここからが本当の実験でした。ブラックマンは、参加者たちが「すみません」ときちんと謝るかどうか、そして落とした書類を拾うのを手伝ってくれるのかを、こっそりと測定していたのです。

謝る人の割合に男女差は無かったが……

その結果、女性では84人中79人が謝りました。男性では55人中50人が謝りました。「すみません」と謝ることに関しては、男性も女性も統計的には差がありませんでした。

ところが、実際に落とした書類を拾ってくれるのかということに関しては、男女の差が出ました。

女性では、「すみません」と謝った79人のうち、61人しか実際に拾うのを手伝ってくれなかったのです。男性はというと、「すみません」と謝った50人のうち、49人は言葉だけでなく、実際に拾うという行動もしていました。謝った男性のほぼ全員が、書類を拾うのを手伝ってくれたのです。

このデータからすると、女性は「ごめんなさい」と口では言っても、行動では何もしない人も意外といるのですね。男性はというと、自分が悪いことをしたときには、償い行動をとるわけです。男女には、こういう面白い差が見られます。

女性も大半の人は行動が伴っているわけですが、急いでいたり、心に余裕のないときは、意識して丁寧な行動を心がけたいですね。特に相手が男性の場合、彼らの中では「償い行動をとるのが当たり前」なものだから、「あれ?」と感じる度合いが強くなるでしょう。

「外交的で明るい人」の人気は最初だけ

発言と行動が一致していることが大事なのは、謝罪シーンだけではありません。

男女問わず、言うことだけはすごいのに、自分ではまったく何もしないような人がいます。お調子者というか、口だけ達者な人ですね。こういう人は、知らず知らずのうちに評価を下げてしまっていますから、注意しましょう。

カリフォルニア州立大学のコリーン・ベンダースキーは、MBAコースの参加者227人に4人から6人のグループを作らせて、課題に取り組んでもらいました。なお、参加者全員が性格テストを受けていました。

その結果、1週目の集まりの後で、他のメンバーについての評価を求めると、外向的な人ほど、他のメンバーから好かれていることがわかりました。明るく、おしゃべりで笑わせてくれるような人は、1週目には人気があったのです。

ところが、10週目にもう一度、メンバーについての評価を求めると、外向的で、明るい人ほど人気が落ちてしまうことがわかりました。

じわじわ評価が上がっていく内向的な働き者

逆に、神経質で、あまり他のメンバーと口をきかないような人のほうが、評価が高くなることが明らかにされたのです。いったい、これはどういうことなのでしょうか。

ベンダースキーが調べてみると、真相はこうでした。

お調子者で、外向的な人は、たしかに最初のうちは人気が出ます。しかし、グループで課題に取り組んでいると、外向的な人は、口では偉そうなことを言いながら、思ったほどグループに貢献してくれないことが、少しずつバレていくのです。

逆に、神経質な人は、寡黙であまりメンバーと話したりはしませんが、コツコツと努力してくれて、思った以上にグループに貢献してくれることがわかってくるので、グループ内での評価は上がるのです。

寡黙な人は、たしかに初対面のときには、あまりよい印象を与えないかもしれません。しかし、それでも2カ月、3カ月が経つ頃には、他の人にも、「あの人って、黙々とよく頑張ってるよな」ということは認知されていきます。わざわざ自分で、自分のことをアピールしようとしなくとも、必ず、だれかが見ていてくれるのです。むしろ、そのほうが評価は高くなったりします。

自己アピールなどは控えめにして、そのぶん、行動で示したいものです。頑張って仕事をしていれば、余計なアピールなどしなくとも、周囲の人にはちゃんと伝わりますから、心配はいらないのです。

(参考)
Blackman, M. C., & Stubbs, E. C. 2001 Apologies: Genuine admissions of blameworthiness or scripted, sympathetic responses? Psychological Reports ,88, 45-50.
Bendersky, C., & Shah, N. P. 2013 The downfall of extraverts and rise of neurotics: The dynamic process of status allocation in task groups. Academy of Management Journal ,56, 387-406.