PWサロンメンバー「温泉地ミーティング」実況中継
いつもと違うリラックスできる環境なら、アイデアが出やすく、議論も白熱するのか――を検証すべく、温泉地での新しい過ごし方を提案する環境省の「チーム 新・湯治」とプレジデント ウーマン誌がコラボレーション。PRESIDENT WOMAN Salonメンバー10人を修禅寺の温泉地に招待し、1泊2日でミーティングを行いました。
なぜうちの会社はテレワークを導入しないか
2019年末に開催した「温泉地ミーティング」には、不動産や百貨店、IT企業などで働く20~50代のメンバーが参加した。
会場であるホテルの会議室にそろった参加者を前に、まずはファシリテーターの「ベーシック」代表、田原祐子さんが挨拶。「自然豊かな温泉地では気分が解放されて脳も活性化するはず。業種の垣根を越えて意見を交わしましょう」
今回のプログラムでは、2日間で3つのテーマについて議論する。ひとつめは「テレワークを実現するための課題と解決策」。3つのグループに分かれてスタートすると、活発に意見が飛び交う。約20分後、代表者が意見を発表。あるグループでは、「導入していない会社では、誰もが無理だと諦めている」ことを課題にし、「社内の女性が一丸となって利点を挙げつつ制度化を促す」という解決法が。別のグループでは、「導入済みの企業で、テレワーク中に仕事をしているのかと疑う上司がいる」ことを問題視。「実施中の成果を正確に伝えることが大事」という策が提案された。
共通課題について意見を交わすことで、よりよい働き方を模索するきっかけになったようだ。
次のテーマは「リーダー」について。「管理職になりたくない、という女性の声を多く聞きます。幸せなリーダーを増やすにはどうすればよいでしょう」という田原さんの問いかけで話し合いが再開された。
どのグループでもまず「そもそも幸せなリーダーって何?」という疑問が持ち上がる。実感として、「理想とするロールモデルが身近にいない」ことが挙げられた。そこで「幸せなリーダー像」を掘り下げることに。「強いだけでなく、面倒見がよく部下に慕われる人」「仕事をすばやくこなして、時間に余裕を持てる人」など、軽やかなイメージ像が浮かび上がった。なかには「憧れられるような幸せなリーダーに自分がなればいい」という頼もしい発言もあり、全員がうなずいた。
3時間に及んだミーティングのあとは、懇親会を兼ねた夕食。伊豆の厳選食材を使った料理を味わい、温泉を楽しんで1日目は終了した。
充実したプログラムに「気分転換もできて最高!」
2日目の朝は温泉スパで専門家に水中セルフケアを学んだ。温泉地ならではの充実したプログラムに「気分転換もできて最高!」と喜ぶ声も。
朝食後には、3つ目のテーマについてのディスカッション。本題に入る前に田原さんが、管理職である参加者4人に「管理職になった経緯」を質問。「上司が辞めたので私がやるしかなかった。チームメンバーが好きだったので躊躇なく引き受けた」「上司に『管理職になりたいよね?』と聞かれて『はい』と即答。3度の育休をとった私ならではの役割があると思ったから」など四者四様のストーリーが語られる。また、「経営者の目線を持てるようになり、管理職になってよかった」との実感もあった。
この日のテーマは「社会課題を解決するアイデア」。グループごとに課題を探し、解決策を議論するという試みだ。「雇用問題」を課題にしたグループでは、募集をかけても、いい人材がやってこないという悩みを挙げ「SNSで自社の魅力を発信して適任者を吸い上げる」などの解決策が。「長時間労働」を切り口にしたグループでは、「夜遅くまで会社にいる人が悪影響を与えている。そんな人たちを早く帰らせるには、アフターファイブを充実させるよう促す」などの視点を変えた意見が飛び出し、終了時間まで盛り上がった。
最後は感想で締めくくり。「会社で温泉地ミーティングを提案する」「漠然としているキャリアを描きなおしたい」などのコメントがあった。温泉地での2日間で、たくさんのアイデアが沸き出たとともに、新たな発見もあったようだ。