“人生100年時代”という言葉をよく耳にします。60歳からも人生は30年、40年と続くのです。もしかしたら、2倍の120歳まで生きるかもしれません。そんな年齢になるまで、汗水流して働くのは肉体的にも厳しいですよね。55歳で総合商社を退職し、阿蘇でペンションを開業、60歳からNPO法人を設立し、現在は海外展開も図り新たな挑戦をし続けるかじえいせいさんが、今からできる対策を教えてくれます。

※本稿はかじえいせい『夢は60歳から現実化する。「老春時代」の成幸術』(Clover出版)の一部を再編集したものです。

電話をかけるシニアの実業家
※写真はイメージです(写真=iStock.com/jacoblund)

健康で稼ぐ力を維持し続ける

老後対策といえば、一般に「何千万円の貯蓄が必要」といった論調が多く聞こえてきます。けれど、貯蓄だけが老後対策ではありません。むしろ、お金より大事なのは健康に気をつけることです。

そして、どんな状況においても生き抜いていく気力を養うことです。その上で収入源を持つことです。健康で収入があれば、ローゴはほぼ安泰です。

守りに回ったら廃れます。ローゴも常に攻めの姿勢を忘れないことが肝心です。だからといって、若い時のように汗水たらして、あくせく働くのも考えものです。やはりローゴは、ある程度ゆったりと優雅に暮らしたいものです。

退職金、貯金と年金だけで十分生活していける人でも、何らかの生産活動を行うことでローゴの生活に、より張り合いと潤いが出てきます。

何もせず完全に弛緩してしまうと、認知症などにつながる可能性が高まります。人はある程度、緊張感やストレスがあった方が心身面での健康を保つ上でも効果があるのです。

汗を流す代わりに知恵を出せばいい

私も、身体にものをいわせて宿泊業を営んでいました。55歳の時、どうしても自分の理想の家が建てたくて、借金をして敷地内の小高い山の上に小さなホテルを建てました。わずか10メートルほどですが、階段にして約30段の急坂を上らなければなりません。

その頃は何度往復してもほとんど疲れを知りませんでした。けれども、60歳になる頃、腰に負担がくるようになりました。幸か不幸か、その後2008年のリーマンショックによりお客さまが激減したため、肉体的な負担は軽減しました。借金はまだ半分ほど残ったままでしたが、おかげで腰を痛めるには至りませんでした。

当時のモラトリアムによる減額返済で何とか乗り切りましたが、年々体力は衰えていくことを計算に入れなければならない、と痛感しました。

そして、汗を流す代わりに知恵を出せばよいことに気づきました。自分の夢を叶えてくれる人に投資すればいいのです。

60歳からの新しい挑戦には、若い頃の経験が重要

まずは、61歳の時に外国人をスタッフに迎え、街の中心部に「英会話カフェ」をつくったのです。同時に「ゲストハウス」も開きました。いずれもそれまで培ってきた自分の経験を生かしたものです。

その後、ベトナムに「カフェ」をつくり、「日本語学校」の設立を手掛けました。そして、福岡にも「ベトナムカフェ」をオープンさせました。その間、阿蘇の施設は人に貸していました。

ところが、2016年の熊本地震や諸々の事情ですべての店を畳まざるを得なくなったのです。67歳でした。そして今、阿蘇に帰り、「瞑想センター」として機能しています。私の60代はまさにビルドアンドスクラップの連続でした。

自分の経験と特技、好きなことを生かして、体力に見合った事業を展開することで、生涯、収入を得ることができます。そのために、若いうちからいろんな経験を積む必要があるのです。

現役時代から、収入源は複数を確保

いまは、複業(マルチキャリア)時代と言われています。これからは、一つの仕事、一つの会社だけを当てにはできません。副業を認める会社も増えてきたので、収入源を複数つくっておくことはとても大事なことです。

特にローゴは、年金だけを当てにすることはできないとなれば、どのような状況でも収入が入ってくるように老前に手を打っておくことが重要になってきます。

それも、今まで経験のないアウェイでも勝負ができるように足場をつくっておくことが必要です。特にこれから先、日本だけでなく常に海外に目を向けておくことが肝心です。

収入源の種類も、いくら一時的に儲けられても、継続性、再現性がないと意味がありません。死ぬまで継続可能な収入でなければならないのです。そういう意味では、再就職や再雇用で企業に雇用されたとしても、死ぬまでの保証は難しいでしょう。

ローゴの足場を固める4つの権利収入

継続して収入が得られる方法の一つに、権利収入というものがあります。収入は、大きく分けて労働収入と権利収入に分かれます。

権利収入とは、何らかの権利を持つことによって、自動的に入ってくる収入のことです。いわば会社員のような労働収入の対極にあるもので、不労所得とも呼ばれます。働かなくてもお金が入ってくれば、こんなに嬉しいことはありません。ですから、多くの人が何らかの権利収入の方法を模索しています。

権利収入は大きく分けて、次の4つに分類されます。

1 不動産や株式のような投資(最近では、FXや仮想通貨などもこれに入るでしょう)
2 アフィリエイトなどのネットビジネス
3 印税
4 ネットワークビジネス(MLM)

体は衰えるが、頭は使うほど冴えてくる

どれを選ぶのか、それぞれスキルや性格との向き不向きがあります。

投資には、まとまった資金が必要です。これらは、かなり大きなリスクを伴います。投機的な商品には手を出さない方がいいでしょう。

『夢は60歳から現実化する。「老春時代」の成幸術』(Clover出版)
『夢は60歳から現実化する。「老春時代」の成幸術』(Clover出版)

ネットワークビジネスも権利収入の一つです。一口にネットワークビジネスといってもさまざまな種類のものがあるので、よく調べてみましょう。ネットワーク業界も大きく変貌しています。

先入観からすべてを否定することは、賢明な方法ではないでしょう。いずれにせよ、何らかの権利収入を持つことは、ローゴの経済的安定をもたらします。権利収入を得れば、一生安泰で老後の経済的不安が一掃されるでしょう。

不労所得といっても、まったく働かないというわけではません。働き方が違うだけなのです。汗水流すのはどちらかといえば身体を使う仕事であり、権利収入は頭を使う仕事と言えるかもしれません。

肉体は年齢とともに衰えますが、頭は使えば使うほど冴えてくるものです。脳は使えば使うほど死ぬまで発達します。そして年を取りにくくなります。ですから不労所得ではなくて「不老所得」とも言えるでしょう。

余談ですが、私は旅して暮らすための収入源を「浮浪所得」と呼んでいます。