理系の仕事に携わる、いわゆる“リケジョ”たちの通勤バッグの中身と、毎日の仕事、そして頭の中をのぞき見。日々数字と向き合う彼女たちは、プライベートでも理系っぽさを発揮しているようです。

地味な作業なくして成功はありえません

パソコン、関数電卓、通勤中に読み込む論文、メモ書き用の2本のペンに付箋……。私のバッグは毎日荷物でいっぱいです。

テルモ コーポレートR&D 未来創造グループ 主任研究員 山下恵子さん
テルモ コーポレートR&D 未来創造グループ 主任研究員 山下恵子さん

テルモに入社以来、さまざまな研究に従事してきました。薬を患部に届けるためのカプセルやカテーテルなど最先端の医療用製品を開発したり、がんや心不全の治療法を探ったりしながら日々精進。臓器の模型やメスフラスコ片手に実験を行い、緻密な計算を何度も繰り返す。ものすごく地味な作業ですが、“患者さんのために”というモチベーションがありますし、何かしらの答えが出てくる実験はやりがいがあります。

現在の部署では「未来洞察」という観点で、未来のありたい姿を描き、逆算して今やるべきことを導き出しながら病院でのニーズとマッチングさせて、未来の治療法や医療機器の開発に取り組んでいます。数字データを処理する仕事も増えましたが、エクセルでグラフ化する仕事は楽しい。数字に曖昧さはないですから。

私生活でも数字に信頼を寄せています。普段の体調は、1日の歩数や睡眠スコアをアプリでしっかり管理。毎日、その数値を見つつ健康維持に努めています。健康診断の数値もしっかり記憶。良しあしが的確に判断できる「数値の見える化」が大好きです。なんでも白黒はっきりさせたい性格なので、夫婦げんかしたときに夫の怒る理由が不透明だと嫌。落ちつきません(笑)。

いつでもどこでも何でも測るのが癖

何事も最短ルートで120%楽しみたいんです

私は自他共に認める「理系」です。小さい頃から算数が好きで、中学で数学になってからも、どんどん面白くなってきて。一方で、国語は大の苦手。答えが1つじゃないところが嫌いで……。

亀田製菓 食品事業本部 お米研究所 新領域開拓チーム 木津有美さん
亀田製菓 食品事業本部 お米研究所 新領域開拓チーム 木津有美さん

亀田製菓に入社以来、健康食品の開発に携わっています。毎日の業務ではラボ(研究所)で研究や試作をすることが多いです。バッグの中には、ウエットティッシュやノギス、キッチンタイマーなど、その際に使う道具も。キッチンタイマーは娘たちのユーチューブの視聴時間を計ったり、ウエットティッシュは会社でお化粧をしたときに手を拭いたりと、ほかの用途にも使用。1つ2役です。

研究や試作をする以外には、商品案を考えたり、最近は、機会があれば営業に同行して商品説明もします。普段は周りが理系の人ばかりなのでわからないのですが、たまに営業の方と話すと驚きます。「なんてコミュニケーション能力が高い人たち!」

家で料理をするのも好きで、そのとき冷蔵庫にある食材をチェックして、レシピを調べて「これ作れる!」と思ったら、パパパっと。分量は必ずきっちり量ります。何事も最短ルートでいきたいので。味が決まるまで何回も味見をするのがもどかしい(笑)。旅行も120%楽しむために「こうすると楽しい」という情報を集めて、しっかりプランを立てます。これも理系っぽいといえば、理系っぽいですね。

娘のユーチューブ時間はキッチンタイマーで管理