※本稿は岡田充弘『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
毎日カバンの中身を見直す
ガムをかんだ後の包み紙、買い物のレシート、会社から渡された社会保険関係の書類など、人はそれが不要なものであっても、ついカバンに入れてしまいます。それらは入れたことすら忘れられ、気づいた時にはとんでもない量になっていることも少なくありません。
そんな状況を防ぐには、家に帰ったら毎日カバンの中身を机の上に出してみることです。机の上にすべてを出すことによって、持参しなくてもよかったモノ、逆に持参したほうがよかったモノ、修理すべきモノ、捨てるモノ、タスク化すべきことなど、いろいろなことが明らかになります。健康管理のためにこまめに体重計に乗るのと同じで、意識することで自然と持ち物も減っていくことでしょう。
そもそもあらゆる可能性に備えて、カバンに必要なモノをすべて入れておくことはできません。カバンの中身を出して見直すことは、持ち物の優先順位を考えたり、不測の事態が発生した場合のシミュレーションをしたりするきっかけになります。いつでも身軽に動ける状態でいるには、身辺の新陳代謝の習慣が大切です。
カバンのすべてのポケットを使わない
カバンにたくさんのポケットがついていると嬉しくなり、つい普段使いの小物をいろいろなポケットに収納してしまった、という経験はないでしょうか? これでは次第にモノが溜まっていくだけでなく、どこにしまったのか分からなくなってしまう原因にもなります。
カバンの中のモノを増やさないコツは、すべてのポケットを使いきろうとしないことです。使うポケットを絞ることによって、モノの増殖や混乱を抑えることができます。
私の場合、日常で使うポケットは主に、
・財布やスマホなど日常使う小物を入れておくポケット
・イヤホンやケーブル類などアクセサリ類を入れておくポケット
の3つです。
カバンの大きさや仕事の内容によっても変わりますが、できれば3つ、多くても5つ内のポケットに収めることをお勧めします。細分化しすぎると、管理が煩雑になるのは、ファイルもカバンも同じなのです。「必ずココにある」という安心感が、漏れや焦りをなくしてくれることでしょう。
財布から現金やカードを減らす
クーポンや会員カードをギッシリ入れて、パンパンになった財布を持ち歩いている人をたまに見かけます。膨れ上がった財布は見た目にも野暮ったく、カバンに入れても重いですよね。何より、財布からお金やカードを取り出す時、「アレっ、どこいったかな」と慌てふためく姿は想像すらしたくないものです。
入れる品数が少ないほうがいいのは、カバンも財布も同じこと。
一度思い切って財布の棚卸しをして、スッキリさせてみませんか?
私の場合は、もしもの時に必要な少額しか現金を持ち歩かず、できるだけSuicaやクレジットカードに集約するようにしています。そうすることで財布がスマートになるだけでなく、小銭を扱う煩わしさや両替の手間から解放されてかなり快適になります。Suicaはスマホのアプリを利用すれば、専用カードや現金チャージも不要になります。
カード類については、まずレンタルビデオをすべてApple TVなどネットで視聴するスタイルに変えたので、レンタルビデオ店の会員カードはすべて無くなりました。
また、飲食店などで配っている割引クーポンはもらわないようにしています。財布に入れるとかさばるのと、少々の割引を期待して持っているよりも、そもそも行かなければコストセーブにつながる、という発想です。最近ではクーポンも電子化してきていますが、同様の理由でスルーして振り回されないようにしています。
病院の診察券は、普段は自宅で保管しておき、本当に必要な時にだけ持っていけばいいでしょう。美容院の会員カードは、お店にお願いして特典不要の代わりに提示不要にしてもらいました。
クレジットカードも、空港でラウンジ利用できる特典のついたもの1枚のみで他には使いません。
おかげで私の財布はスマートで、買った時からほとんど型崩れもしていません。無駄のそぎ落とされた筋肉質の財布を持つことは、気持ちの面でも大変良いことです。
自然と無駄遣いもしなくなったので、金運もこころなしか上がったように感じます。
デスクには今使っているモノだけ置く
デスクにはその人が表れるといいますが、私は職業柄、これまでいろいろなデスクを目にしてきました。中には、ドン・キホーテの店内のように、書類やモノが天高く積み上がっているデスクもありました。
デスクにモノが多すぎると、今何が大切なのか、今何をしているのか、といったことを見失いやすくなります。また、モノを探すなどの間接作業に時間が奪われ、トラブルが発生する原因にもなりかねません。
仕事の透明性を高め、効率的な作業環境を作るためにも、デスクの上には今進めている仕事以外のモノは置かないようにしましょう。
そのためには、モノを使い終わったら元の場所に戻す習慣付けが大切です。「後でいいや」「まとめてやろう」と思っていると、ずるずると後ろ倒しになって、結局デスクの上にモノがどんどん溜まっていくことになります。
モノが溜まると、それが無意識の重みとなって、仕事の処理速度を落とします。ときどき自分のデスクを見直してみることをお勧めします。
モノの定位置を決める
必要なモノをどこにしまったか忘れて探すのに苦労した、という経験はありませんか?
ビジネスパーソンが1年間に探しものに充てる時間は平均150時間にものぼる、といったデータがあるくらいです。探している間は何も生まないので、当然この時間は少ないに越したことはありません。
探しものに時間を奪われないようにするには、「モノの定位置」を決めることです。
一度決めれば探し回る必要がないので、かなりの時間短縮につながります。
また、探す時間だけでなく、収納時に迷う時間も減らすことができます。
理想的なモノの定位置は人によって異なるでしょうが、私の場合はノートパソコンをデスク中央に置き、右手に文具、左手にこれから実行するタスクに関する書類を処理順に並べるようにしています。
スペースが限られている場合は、資料や物品を多少積み重ねてもいいでしょう。この時、規則性無くバラバラに置かないよう気をつけましょう。
第三者がデスクを見て、何をどういう順に取り組もうとしているかが瞬時に理解できる状態が理想です。モノの定位置を決めておくことで、いざという時の初動が早くなり、様々なトラブル防止にも役立つはずです。