同じ目的を持った人たちと一緒に学べる、女性に人気の勉強会やサロンに参加。そこには、オフィスでは味わえない知的興奮がありました!
アートツアー
歴史や解説を聞きながら、美術品を深く味わう
参加者は展覧会の目玉“スノーボール”シリーズにうっとりしながらも、中村さん(左)の解説を熱心に聞く。

作品の裏にひそむ物語を深く味わう

近年、ビジネスパーソンに注目されている美術鑑賞。知識を得たいけれどアートって難しい……。そう思っている方におすすめしたいのが、アートナビゲーター・中村宏美さんが主催する「アートツアー」だ。平日の夜や週末に行われる鑑賞会で、中村さんえりすぐりの美術展へ少人数で赴くツアーである。

(左)犬や猫など動物をモチーフにした作品がずらり。(右)巨大な鏡の前で。

ある土曜の午前中、パナソニック汐留美術館の「マイセン動物園展」(※)ツアーに参加した。ドイツで生まれた磁器の名ブランド・マイセンの、動物をモチーフにした磁器彫刻を集めた展覧会だ。参加者は20~40代の5人。常連もいれば、「興味があって」という初参加の人も。

館内に入ると中村さんは、磁器の制作工程やマイセン窯のなりたちなど、まずは基礎知識をテンポよく説明。そして作品を見ながら、さまざまな視点でその魅力を語ってくれた。

※パナソニック汐留美術館の「マイセン動物園展」は終了しています。

知的好奇心がくすぐられっぱなし!

鳥が群がるつぼ形ポプリ入れの超絶的な技法や、馬の磁器彫刻にまたがる人物をもとに18世紀のファッションを解説。豪勢なシャンデリアについている女性のヌード彫刻を指さし、「ヌードの女性は真実の人を表し、着衣の姿は罪を隠しているといわれています」と西洋美術のルールも説く。さらに、マイセンに魅せられたアウグスト強王時代のドイツの政治や歴史の話題まで掘り下げてくれるから、2時間のツアー中、知的好奇心がくすぐられっぱなし!

(左上)中村さんお手製のツアー用テキスト。(右上)動物に乗る人物の彫刻も。(下)この日の参加者は全員女性。

「解説のおかげで作品を深く知ることができました」「美術史の本を読むよりタメになる」と喜ぶ参加者も。

中村さんは11年前に美術検定1級を取得し、アパレル系の会社を経営しながらアートナビゲーターとしての活動も開始。「作品を楽しみながら勉強する時間を提供したい」との思いからツアーを企画し、多くの人に美術の魅力を伝えている。すでに知識は十分だが、「向上心ある参加者が多いので気が抜けません」と、事前に膨大な量の関連文献を読み込む。その知識を惜しみなく披露してくれるのだから満足度は120%。

「素晴らしい作品に出合うと心が動き、創造力も高まります」

心も感受性も磨ける、充実のツアーである。

・DATA さまざまな展覧会のアートツアーを月に4、5回、平日の夜と週末の昼間、そのほか不定期で開催。参加費5400円(チケット代別)。定員は6人。詳細は公式ホームページへ。お問い合わせ:中村デザインスタジオ TEL03‐5457‐3231

みんなで語ろうフライデーナイト
著名人を囲み、ワンテーマで熱くブレスト

意見を交わしながら発信力を鍛える

都会の夜景を見下ろせる六本木ヒルズ森タワー49階の「アカデミーヒルズ」。毎週金曜の夜、「みんなで語ろうフライデーナイト」というイベントが開かれているのをご存じだろうか。これまで、元プロ陸上選手の為末大さん、気鋭の茶人・木村宗慎さんなど、さまざまなジャンルの著名人がファシリテーターとして登場。ひとつのテーマをもとに、参加者も一緒になって議論を繰り広げるというアクティブなイベントである。

スタートは夜7時。テーマなどによって男女比率は変わる。

第18回のファシリテーターは、元NHKで、今はフリーのプロデューサー・小国士朗さん。認知症の人がホールスタッフを務める「注文をまちがえる料理店」をはじめ、数々のプロジェクトを手がけてきた。「みんな、どうしてもっと熱狂しないんだろう?」という小国さんの疑問から生まれたテーマは、「あなたの熱狂スイッチの見つけ方」。

「スタッフの心に火をつけたい」というマネジメント職の人、「モチベーションを上げたい」という自由業の人など、テーマに魅せられた参加者15人が集まった。

積極的に考えを発信

まずは小国さんが“熱狂”を基点にNHKに勤めていた時代から振り返って自身の仕事ぶりを語ってくれた。会社の枠からちょっぴりはみ出すことを恐れず、「おもしろそう!」に突き進む小国さんは、まさに熱狂の人。その人物像を知ったところで「僕がなぜ熱狂するのか分析し、どうしたら誰もがスイッチを見つけられるかを普遍化しましょう」という提案をもとに、グループに分かれたり全員で円陣を組んだりしてブレーンストーミングに突入。みんな積極的に考えを発信。

(左)館内には、過去に登壇したファシリテーターの著書を並べた棚も。(右)小国さんのトークはユーモア満点。

意見が意見を呼び、自分の中からも思わぬ考えが湧いてくる。仕事での会議とは違いリラックスした気持ちで、知らない者同士だから、臆せず発言もできる。

最後は「何事も私がとことん楽しめばいい。そうすれば熱狂スイッチは入るんだ」など、それぞれが自分なりの答えを見つけられたよう。

ふだんは会えない著名人を交えたブレストを経験できるうえ、発信力も鍛えられる。毎回テーマは異なるので、興味を引かれた回に参加するといいだろう。

ふだんはテーマに沿った参加者からの意見をもとに進行されるが、今回は小国さんを“いじって”語るユニークな会となった。

・DATA 毎週金曜開催。参加費5000円。定員は15人。詳細は公式ホームページへ。お問い合わせ:アカデミーヒルズライブラリー事務局 TEL03‐6406‐6650

パブリックスピーキング入門セミナー
心を揺さぶるスピーチのつくり方&話し方

スピーチの極意を2時間でモノにする

スピーチに苦手意識がある人にもってこいのセミナーがある。経営者や政治家の演説を指導するスピーチライターとして活躍中の蔭山洋介さんが講師を務める「パブリックスピーキング入門セミナー」だ。オンラインで参加できる「スピーチライターサロン」の入門編で、蔭山さんが実際に指導する少人数の講座である。

蔭山さん(右)は、真剣に参加者のスピーチをチェック。

「人を感動させるスピーチの構造はシンプル。今日は、それを最短の方法で教えます」

よく通る声でそう切り出し、授業が始まった。まずは、申込時に宿題として出されていた「2分間の自己紹介スピーチ」を1人ずつ披露。緊張感を伴いながらのスピーチを終えると、録画した動画をコマ送りしながら蔭山さんがダメ出しする。

スピーチの録画を確認しながら、話し方のクセを指摘。

「手を重ねるのは自信がない証し」など、身ぶり手ぶりを指摘。「立ち方で発声が変わる」と姿勢もチェック。確かに、重心を変えるだけで堂々とした声が出る! と感動した直後、息をつく間もなく蔭山さんはスピーチ原稿のつくり方の説明を開始した。「意見を無限に並べたスピーチはダメ。人を引き込むには、いかにエピソードを盛り込むかが勝負」

そう言って、原稿の起承転結のつけ方から、エピソードの効果的な盛り込み方まで指南。教わった内容をもとに自己紹介スピーチを再構築して、2度目のスピーチに挑戦する。

みんなの満足度も上々だった

(上)オンラインでスピーチを勉強できるサロンも開設している。(下)カッコよく立つには足裏の柔軟性が必要。ゴルフボールを使うマッサージ法も指南。

ここからは体育会系のノリで、個別に徹底的に指導。感情の起伏のつけ方やエピソードの盛り上げ方を具体的に示し、時間の許す限り繰り返し修正してくれたのだ。そのおかげで全員、驚くほど上達。「自信がついた」「スピーチって楽しいかも」とみんなの満足度も上々だった。

この入門編だけでもタメになるが、もっと上を目指すなら冒頭で記した「スピーチライターサロン」がある。コミュニティー型のオンラインサロンで、会員同士のディスカッションや、月1回開かれる勉強会にオンライン上で参加できる。自宅に居ながらスピーチ力を磨くことができ、「言葉を使って社会をよくしたい、ビジネスに生かしたい」という人が多く利用。仕事にも人生にも役立つだろう。

・DATA 「パブリックスピーキング入門セミナー」は東京と大阪で、月に1回開催(大阪は別の講師)。参加費3800円。定員は5人。詳細は公式ホームページへ。お問い合わせ:コムニス TEL03‐3341‐4001

参加費はすべて税込みです。