愛用しているのは、ルイ・ヴィトンのトートバッグ
カンボジアを中心に不動産サービス業を展開する「アンナアドバイザーズ」の社長、荒木杏奈さんが愛用しているのは、ルイ・ヴィトンのトートバッグだ。
「あちこち走り回るので、パソコンが入るサイズが必須条件です」
ほかにも印鑑や物件のチラシなど仕事道具がぎっしり。息子に必要なアルコールティッシュや母子健康手帳も入っていた。バッグをのぞくだけで、仕事と子育てを両立しながら働く姿が目に浮かぶ。そんな荒木さんの資産は約2億円。冒険的な仕事人生を送りながら貯めた額である。
金融系の会社で東南アジアの投資環境を調査すると、カンボジアが魅力的な投資環境にあると気づき、27歳で退社。独身だったことから「失うものは何もない」と、単身カンボジアに移住。知人にすすめられ、財産をつぎ込んで頭金を入れた1250万円の物件が、たったの半年で1800万円にまで高騰したのだ。
「カンボジアの不動産はおもしろい! 伸びると確信して現地で起業し、不動産業務の免許を取りました」
現在は東京に拠点を置き、日本やフィリピン、米国の不動産も扱うようになった。業績は右肩上がり。成功の秘訣はチャレンジ精神?
「ニッチな市場を狙ったところでしょうね。海外の物件を扱う専門家はまれなので、自然と投資を目的とする富裕層のお客さまがつきました。国内の不動産業者からも、一緒に仕事をしたいと声をかけられます」
22歳で投資を開始。経済動向も勉強するように
本業以外に、22歳で始めた株式投資も資産形成に役立っている。
「最初の投資は少額でしたが、証券口座を開設したことで経済状況をチェックするようになり、世の中の動向を勉強するようにもなりました」
このときの意識の変化がなければ今の自分はなかったという。「お金を貯めたければまず投資を。お金にうまく働いてもらった者が勝ち」という言葉には説得力がある。
愛用の長財布は、バッグ同様、「好きなルイ・ヴィトン」。時計は重厚感あるカルティエだ。
「仕事相手からの印象を考え、きちんとしたものを身に着けます。買い物は投資と同じ。それを持つことのメリットを熟考して購入します」
派手な暮らしに興味はなく、家は賃貸の手狭なマンション。「フランス人の夫は、穴があくまで靴下を履くような節約家なんです」と軽やかに笑う姿に、人柄のよさがにじみ出る。夢は「カンボジアの不動産王」。お金に愛される荒木さんなら、実現するはず!
アンナアドバイザーズ社長
大手広告代理店に入社後、SBIグループを経て、2012年よりカンボジアの金融機関に勤務。13年に独立し、国内外の国際不動産サービス業を展開。著書に『東南アジア投資のラストリゾート カンボジア』(幻冬舎)。