日本と海外のかけ橋に。渡米して仕事をゲット

「チャンスは1度きりかもしれない。おもしろそう! と感じたら、大きな波でも飛び乗ります」

Houzz Japan社長 加藤愛子さん

米国の投資銀行に在籍した経歴を持つ加藤愛子さんが乗ったのは、アメリカに本社を置くHouzzハウズの日本支社代表という波。家づくりのためのプラットフォームを提供するベンチャー企業である。現在の拠点は15カ国。国境を越えてサービスを展開する仕事は、「日本と海外のかけ橋になる事業に携わりたい」と考えていた加藤さんにとって絶好の場。創業者が日本への進出を望んでいると友人から聞いて、その1週間後にはアメリカへ飛び、日本での展開策をプレゼンしたという。

立ち上げから4年。事業は拡大し、メンバーも30人に増員した。取り巻く状況が変化するなかで、変わらず心がけていること。それは、一にも二にもメンバーとのコミュニケーション。毎週金曜には合同ランチ、月曜には会社が朝食を提供してチームとの交流をはかる。個人へのケアも欠かさない。

「企業としての目標を達成するためには、個々の成長が重要。メンバーとは1対1で対話する時間を設けています。キャリアゴールに向けてどうスキルアップしたいのかを明確にしてもらい、この組織ではもちろん、その先のことも視野に入れて、アドバイスしながら一緒に考えます」

メンバーが成長できる環境をつくりたい

刺激を与えつつ寄り添う。ときには「今日は何食べた?」とたわいない会話を交わしながら、1人の人間として理解することも心がけてきた。

「経営者ですから売り上げや数字も大事ですが、みんなが気持ちよく仕事ができ、成長できる環境をつくることも私の大事なミッションです」

柔らかな声でそう語る加藤さんは、2018年末に第1子を出産。育児にも自分なりのビジョンを描いている。

「仕事と育児の両立が社会問題になっていますが、私は、ときにはリモートワークを取り入れ、柔軟な働き方を推進したいと考えています。ほかにも育児中のメンバーがいるので、社内で多くの事例をつくり、一企業としてその両立が成功することを証明したい」と社会的使命を抱く。

常にエネルギッシュ。そんな彼女にとってのリラックス法とは?

「週に1度、花を買い、部屋に飾ることです。生きている花から、海や山へ行ったときのような自然の息吹が感じられて。忙しいときも、ふと視界に入るだけで和むんです」

花と家族に囲まれて心地よく暮らす。それが仕事への活力になることをピュアな笑顔が物語っていた。

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夫とメキシコ旅行をしたときに買った、思い出の貯金箱。「夫婦げんかをしたら、貯金箱に『ごめん』と謝りながら500円玉を入れます。早く仲直りできるよう、2人で決めたルールです」。貯金箱に対してなら素直になれる。