お得で特別な旅ができるのが「民泊」

正しい知識と利用方法を知っていれば、お得で特別な旅ができるのが民泊。今回は安全でラグジュアリーな民泊の使い方をレクチャーしましょう。

写真=iStock.com/fizkes

民泊とは民家に泊まることの総称です。民泊の使い方をお話しする前に、民泊に3種の定義があることをお話しします。

まず「農家民泊」。“グリーンツーリズム”とも呼ばれ、農業体験や漁業体験など、「体験」がメインになる民泊です。これは、農家などの客間に泊まり、各種体験とホストとの交流を楽しむものです。

次に、現在増えているのが「特区民泊」。東京オリンピックを見越したホテル不足を解消するため、東京の大田区、大阪府、大阪市、北九州市など「特区」に指定された自治体の一部で、賃貸物件などを活用した民泊が始まっています。

3つ目は、旅館業法で簡易宿所として許可を得ている民泊。代表的なものはバックパッカーが泊まるゲストハウスやカプセルホテルですが、現在、特区以外で合法的に泊まれる民泊はこの許可を得たものです。

そして、前記のいずれにも当たらない違法なものが問題になっている「ヤミ民泊」です。2018年6月には住宅宿泊事業法(いわゆる「民泊新法」)が施行され、民泊の規制緩和がされるとともに届け出が必要になること、ヤミ民泊を掲載しているサイトにもメスが入るため、安心して楽しめるようになりそうです。

都市部やリゾートまで網羅する「STAYJAPAN」がおすすめ

さて、おすすめの使い方は。出張の多い人なら、特区に多く見られ、ワンルームマンションなどを利用した都市型民泊。近辺のホテルの相場よりも安く借りられるのが特徴です。大阪市内中心部の、平日の宿泊料金で比較してみると、ビジネスホテルのツインルームでは1人当たり8000円弱に対し、民泊では1室6500円。2人で借りれば半額以下と格安。長期出張の宿泊先にも◎。

航空会社と民泊の協業も始まっている。

そして旅行するならおすすめなのがラグジュアリーな民泊です。この中には、先ほどの3つめの定義「簡易宿所」を取得しているものもあり、戸建やコンドミニアムなどを利用した民泊施設は、プライバシーが保たれ、オーナーの趣味を反映した内装や調度品などがあるステキな物件が多いのが特徴。

イチ押しは沖縄。目の前にビーチのある戸建タイプ、古民家を再生した宿なども。一軒貸しの物件でも2万円程度から楽しめます。18年2月にはJALが民泊に本格参入し、宿泊先と搭乗券の組み合わせを自身でつくる「ダイナミックパッケージ」で民泊を取り入れることを発表。運輸業界と民泊が協業する傾向は今後ますます強まるでしょう。

民泊というと「Airbnb(エアビーアンドビー)」を思い浮かべるかもしれません。Airbnbは空き部屋を貸したいホストと部屋を借りたいゲストとをつなぐWebサービスの1つです。ただし、Airbnbや海外のサイトは、宿泊先が合法か否かを見極めるのは現状では難しく注意が必要です。合法的な民泊のみを扱うサイトなら安心です。農家民泊なら「里の物語」、都市部やリゾートまで網羅するなら「STAYJAPAN」がおすすめ。

もちろん、民泊によって当たり外れはあります。必ず口コミやオーナーの評価を確認して利用しましょう。また、ホテルと違って、アメニティがない、鍵の受け渡しが手間などの短所もあるので、事前準備はしっかりと行うのが鉄則です。

▼民泊を探せるサイト
沖縄の宿は狙い目!
STAY JAPAN https://stayjapan.com/
百戦錬磨が運営する、日本初の公認民泊サイト。観光やビジネス等に使えるリーズナブルな都市型民泊から、リゾートの一軒家やグランピング、ゲストハウスなど幅広く掲載している。
農業体験が充実!
里の物語 https://satomono.jp/
都市農山漁村交流活性化機構が運営している、農山漁村の施設や体験を紹介する総合情報サイト。民泊や民宿だけでなく、農業体験や農家レストランの紹介も充実している。
村田和子
旅行ジャーナリスト
生活情報サイト「All About」スタート時より旅行ガイドとして、「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに活動。実体験を重視した旅の魅力発信やコンサルを行う。