【今回のご相談】
長時間労働に疲れて休職し、地方のベンチャー企業に再就職しました。社長の人柄と事業内容にひかれて移住したのですが、社員の人たちが東京出身の私に「東京ってこういうところがヘン」などと言ってくるのが引っかかります。私以外はみんな地元採用なので、ある程度、孤立することはわかっていましたが……。距離を縮めるにはどうすればいいでしょうか。[37歳・IT・étranger]
東京モンの“上から目線”をお漏らししちゃダメ
地方と東京の対立って、ありがちだけど根深い問題よねぇ。私も雑誌編集者だった頃、取材でとある地方のゲイバーに行ったら、ドアを開けたとたん「取材でも金はもらうからね!」って酒焼け声で怒鳴られてね。その後、近隣の県でも何軒かのお店で「東京モンが見下しに来たのか」という敵意を感じたの。逆に、違う地方では、東京へのあこがれ意識が伝わる歓迎をしていただくことが多くて、地域感情のバラつきを肌で感じたわ。あなたの職場も「そういう土地柄」なのかもね。
ただ、ここまであからさまに「東京下げ」をしてくるってことは、あなたが無意識に、何かまずいことを言っていた可能性も大いにあり。
「東京では毎日、仕事に追われていました」って言葉も、ニュアンスひとつで「地方の会社はヒマでいいですね」と馬鹿にしてるようにも聞こえるのよ。あなたがどこかで最前線の東京から地方に「逃げた」「下った」って意識を持っていれば、相手にもそれは伝わるから。
たとえば、あなたのペンネームだってそうよ。エトランジェって「よそ者」って意味のフランス語よね。知らない人には発音もできないような名前にして、悲劇のヒロイン気取りかしらって、すでに意地悪オカマのアタシの鼻につくような信号を出してるわけ(笑)。ペンネームひとつで、「東京から来たあの人、気取ってるよね」って地元チームに言われる流れが想像できちゃうのよ。
政治家・小泉進次郎の地元への"溶け込み方"がすごい
合理的じゃないかもしれないけど、仕事って質だけじゃなく、半分くらいは人間関係でまわるもの。とくに地方はその傾向が高まりがち。移住までしてここで働くと決め、かつこんな風に悩むくらいなら、感覚の違う相手の懐に自分から入っていかないと。私も講演で地方に呼ばれたときは、アタシを見て怪訝(けげん)な顔してるおじいちゃまに歩み寄って「パパ、ありがとう~」って媚(こび)ってるわ。苦笑いでも、笑顔ゲットよ。
小泉進次郎さんなんかも本来、反感を持たれかねないエリート2世でしょ。でも地方で演説するときは、方言であいさつして、地元の食べ物を語り、さらに自分の党を批判して「みなさんのお力を貸してください」と頭を下げる。パフォーマンスだと思っても、悪い気はしないわよ。政治家に限らず、都会人が地方に受け入れられるテッパンの方法よね。
まずはこれから暮らす土地の良いところを知って。あとペンネームは「孤独なハリケーン」とかに変えなさい(笑)!