仕事に生かしたいからこそ、本気で取り組む女性たち。700点台から満点の990点まで、社会人になってから勉強し、高得点をとった4人の女性たちの勉強法を一挙に公開します!

775点(495点から+280点UP)
●大手通信会社 天野志保さん

▼苦手意識を克服、海外の顧客とのやりとりにも自信が生まれた

大手通信会社でIoT(Internet of Things)分野の営業を担当する天野志保さん。クライアントには海外企業も多く、メールでのやりとりはもちろん電話会議、国内でのアテンドや海外出張もあり英語は必須だ。配属されて3年目。「最初は話せない、聞き取れない、読むのがやっとでした」。天野さんは積極的に英語を学ぼうと決意。ちょうど会社もグローバル展開に本腰を入れた時期で、「英語が使えれば、仕事のチャンスも広がる」と考えた。

会話力を身につけるため、週1回、英会話スクールに通って会話のクラスを受講しながら、半年ごとにT OEICを受験。スコアは入社当時の495点からすぐ600点台にアップしたが、目標の700点を前に足踏みが続いた。

そこでTOEICの対策クラスを受講し、苦手な長文問題を中心に猛勉強。2016年2月の試験で775点と飛躍した。「勉強を続け、アウトプットする場を作ることが上達のカギ。メールと聞き取りには自信がついたので、次は積極的に話すのが目標です」

<スコアアップで人生どう変わった?>

勉強に費やした時間:3年間
Before:英語は読むのがやっと、顧客とのメールや会話にも苦労
After:日常業務も海外出張もスムーズにこなせるように!
さらにこの先は?:英語力を磨き、海外の顧客の新規開拓に挑戦したい

<点数アップの勉強術>

▼寝る前は英会話のリスニング
会社が社員の英語学習のために無料で配布している英会話のアプリを活用。TOEIC向けやビジネス英語のコンテンツが揃う。iPadで寝る前に聞いている。

▼スクールで集中的に勉強
毎週土曜日はイーオンで会話の講座を2クラス受講。TOEIC受験の前には集中講座も受け、直前1カ月間はプライベートレッスンも入れて、苦手パートを克服。

▼馴みの物語を原文で
長文に慣れるため原書を読んでいる。単語を調べるのが面倒なので、日本語でも読んだ『不思議の国のアリス』『ハリー・ポッター』などをチョイス。

860点(520点から+340点UP)
●デル クライアント・ソリューション統括本部ビジネス開発マネジャー 若林 愛さん

▼点数アップで新規立ち上げ部署へ! 夢の海外勤務に向けて、さらにまい進中

「せっかく外資系にいるのだから、英語力を身につけてステップアップしてみたら」。

TOEIC挑戦のきっかけは社内で尊敬するメンターの女性のひとことで、若林愛さんの挑戦がはじまった。とはいえ、多忙を極める中で勉強するには覚悟が必要。「TOEICに取り組むのは1年だけにしようと決めて、まずは英語学校に通いました」。選んだのは英会話学校やTOEIC対策講座ではなく、英語の基礎をしっかりと学べる小規模の学校だ。

「学校へ通った5カ月間は我慢の時期。『こんなにも私は英語がわからないのか』と落ち込むばかりでした」。学校からは容赦なく暗記やリーディングの宿題が出た。必死でこなしているうちに、突然700点後半をマークできた。そこからは、一気に壁を乗り越え、860点まで押し上げた。その直後、社内で海外企画の部署が立ち上がり、異動が決定。「勉強してきたからこそつかめたチャンスでした」

現在、海外とのやりとりを英語でこなす日々の若林さん。英語習得によって、夢実現への最初の切符を手にした彼女は、身についた勉強習慣を生かし、4月からはMBA取得のために社会人大学院へ。「海外赴任するのが、新しい夢!」と強い眼差しで語った。

<スコアアップで人生どう変わった?>

勉強に費やした時間:1年間
Before:外資系企業に勤めながらも、ほとんど英語との接点なし
After:社内異動によって海外とのやりとりのある部署へ
さらにこの先は?:社会人大学院でMBAを取得し、海外で働きたい!

<点数アップの勉強術>

▼最初に、過去問に取り組む
ゴールが見えなければ、自分の実力もわからず、勉強計画も立てられない。まず過去問を解き、すぐに受験したことで、目標がクリアになった。

▼取り組む期限を決める
社会人が長い期間、勉強時間を捻出し続けるのは難しいし、自分には向いていないと思ったので、期限を1年に設定。短い期間だからこそ短期集中できた。

▼教材選びのカギは想像力
教材は、まずは1冊「コレ」と思うものを選ぶことが大切。選ぶコツは、そのテキストを使って勉強している自分の姿が想像できるかどうか。

▼点数や進捗を記録する
1年間、パートごとの点数の推移や勉強の内容をエクセルの表にまとめて可視化した。客観的に分析でき、モチベーションアップにもつながった。

▼英語学校へ通い基礎固め
英会話ではなく、英語の基礎力を底上げしてくれる厳しい学校で、毎日授業と宿題をこなしていった。社会人で勉強するなら、強制力を利用したほうがよい。

920点(555点から+365点UP)
●JAC Recruitment 人材紹介コンサルタント 谷中 淳さん

▼ある日訪れた「わかる!」の感覚に感動。そこから英語が私の人生の一部に

新卒で総合リース会社へ就職して2年が経った頃、「学生時代、結局英語に挫折した自分を克服したい」と一念発起した谷中淳さん。しかし、英会話スクールの面接で一番下のクラスに振り分けられた。

「正直、ショックでしたし、レッスンも面白くなくて、すぐに行かなくなりました」。とはいえ、スクールには高額な授業料を前納していたため、2年目からしぶしぶ再開。「ある日、『あれ? わかる』っていう瞬間があったんです」。そこからは、趣味に没頭するのと同じ感覚で、英語の勉強に没頭。TOEICに挑戦し、そのスコアに合わせて英検を同時に受検していった。

国家資格の通訳案内士を取得後、フリーランスになり、展示会の英語対応やバイリンガルでのイベント司会、通訳案内士、米国のデザインコンサルティング会社の専属プロジェクト通訳として活躍。「海外出張で香港という街に惹かれて、ここで働きたいと思って」と、フリーランス生活にピリオドを打ち、日系企業の駐在員として香港へ飛んだ。その後、現在の会社のグループ企業に採用され、2016年1月、日本へ帰国。英語を自在に操り、人材を求める企業と転職希望者をつなぐ人材紹介コンサルタントとして活躍する日々だ。

<スコアアップで人生どう変わった?>

勉強に費やした時間:3年間
Before:総合リース会社に勤務。英語との接点は一切なし
After:フリー通訳を経て香港へ。現在の会社に転職
さらにこの先は?:中国語も習得して、キャリアアップしたい

<点数アップの勉強術>

▼洋書を繰り返し読む
好きでよく読んだ洋書の小説は『Memoirs of a Geisha』。興味がある、好きな小説を何度も繰り返し読む。楽しむことが目的なのでわからない単語はスルー。

▼テキストは1冊を繰り返しやる
TOEICのテキストや問題集はたくさん出ているが、反復して、とにかく目移りせずに最初の1冊を繰り返し覚えるまでやることが大切。

▼同時進行で他の資格を取る
TOEIC以外で武器になる資格を同時に目指すと英語の基礎能力が伸びる。英検と通訳案内士の勉強を同時に進め、単語帳を作って単語を覚えていた。

▼就業後はカフェで勉強
仕事で疲れているときは自宅に帰ると勉強する気になれないため、就業後はカフェに行って、終電まで勉強。夕食をとるの勉強術時間も勉強に回せて一石二鳥だった。

▼前払いで英語学校に入学する
勉強し始めた頃に、通学を課したのは正解だった。授業料を前金で納めると、英語がまだわからずに面白くない時期でも「行くしかない」ので、頑張れる。

990点(680点から+310点UP)
●ロバート・ウォルターズ・ジャパン セールスサポート 山口裕未さん

▼同僚の半数は外国人の職場、帰国子女に負けない実力を発揮!

バイリンガルの人材に特化した外資系人材紹介会社で働く山口裕未さん。派遣紹介部門に所属し、手続きや問い合わせ対応などサポート業務を担当している。社員の約半数は外国人で出身国は28カ国、全員がバイリンガルだ。当然、同僚やクライアントとの会話、メールや電話でのやりとりは英語が基本だ。

入社は2011年。「実は私自身、人材登録に来たところ、今のポジションを打診されたのが入社のきっかけです」。その直前に受けたTOEICのスコアは990点! 840点まで上がり、「英語を使う仕事に就く」と目標を定め、会社を辞めて2年間、国内の語学学校に通って勉強し、“満点”に。

スコアアップの秘訣(ひけつ)は、密度の濃い勉強法にある。問題集は1冊に絞り込み、間違った問題は語彙(ごい)レベル、文法レベルで納得するまで調べ尽くした。リスニング問題は解答した後、CDを聞きながら書き取ったり、リピートして話したりして耳を慣らした。「一歩踏み込んだ勉強が大切。TOEICの勉強を通して、実践で使える英語が身につきました」。自信を持って、飛び込んだバイリンガルの職場。さらに英語力に磨きをかけている。

<スコアアップで人生どう変わった?>

勉強に費やした時間:9年間
Before:「英語を使う仕事」が目標なのに会話もできず、実力不足を痛感
After:ネーティブの同僚や顧客と自信を持ってやりとりできる
さらにこの先は?:きめ細かなサービスができるよう、言い回しや語彙の幅を広げたい

<点数アップの勉強術>

▼原書は単語を調べず楽しんで
『アルジャーノンに花束を』やアガサ・クリスティーの推理小説など、原書も読んだ。楽しみつつ英語に触れることが目的なので、いちいち単語は調べない。

▼ネーティブ同僚の英語に聞き耳
ネーティブや帰国子女の同僚の会話を聞き、「こういう言い回しがあるのか」と思ったら即、スマホにメモ。新しい言葉やフレーズを覚える努力は怠らない。

▼テキストはコピーして使用
TOEIC対策の問題集。この1冊を繰り返し使うために、問題はコピーしてノートに貼り、解答やメモを記入した。分厚い解説集を活用し、文法を徹底的に勉強。

▼単語テキストは例文重視
繰り返し使った単語の問題集。例文も豊富で、意味だけでなく単語の使い方も徹底的に勉強した。単語と例文が収録されたCDはリスニングの勉強に活用。

▼FBで海外ニュースを読む
Facebookのお気に入りに、Huffington PostやCNNなど海外のニュースサイトを登録し、よく読んでいる。世界の面白ニュース・コネタのサイトも好き。