私たちの真剣な悩みや大きな課題に、お笑い芸人の厚切りジェイソンさん、「Numero TOKYO」エディトリアル・ディレクター 軍地彩弓さんが知恵を絞って答えてくれました。どれも、そう来たか! と唸らされる回答ばかり。肩の力が抜け、前向きになれそうです。(Q1、Q2回答者:厚切りジェイソンさん、Q3、Q4、Q5回答者:軍地彩弓さん)
Q1. ITオンチを克服して生産性をアップするには?
A ただただ、ITを使えばいい!
これ、2つのわかれてる質問ですね。質問のダメ出しになるけど、なんでもいいからITを使えば生産性が上がると思わせるような聞き方。そうとは限らないから。間違った使い方をすると、逆に余計な負担がかかったりする。結びつけて考える必要はありません。
生産性をアップしたいなら、必要でもないことを断ること! 日本人は依頼されたらやってしまいがちなんだけど、それほどムダなことはないから。
ITオンチを克服したいんだったら、使えばいい! とりあえず簡単なものから使ってみて、わからないことは調べて、それでもわからなかったら人に聞く。やればいい! 成功するって前提で生きていれば、意外と成功するよ。
やってもないのに「わからない」と言う人は怠けてるよ。どんだけ自信がないのか! 日本人は若いときから周りと合わせる教育を受けてるから、周りばかりを気にして、自分のやってることが正しいと思わなくなる。自信がない人が多いのは、明らかにそこが原因だと思いますよ。
Q2. 4月から本気で英語に取り組みたい!
A 歯は磨けるんだろう? 歯磨きの感覚で勉強すればいいよ
本気でやりたければ、すごく小っちゃい量で、毎日続けるつもりでやればいい! 歯を磨く感覚で習慣化すれば続くよ。「毎日3時間だ!」と決めても、1週間ももたない。僕も10年間、毎日10分ぐらいしか漢字を勉強してないですよ。「これさえやれば英語ができる」みたいな本はマーケティング戦略。完全に売り上げを稼ぐためにつけたタイトル。でも、多くの人はだまされる。ポイントは毎日やってるかどうか。10年前から毎日10分英語を勉強していたら、今話せてるよ! それだけです!
一生懸命勉強しても英語が話せない人が多いのは、それは点数のための勉強だから。コミュニケーションのためではない。日本人には、ガイジンの顔してるやつが、まさか日本語がしゃべれると思ってない人が多い。僕も、日本語は一応しゃべれるつもりなんだけど、話しかけようとしても「英語しゃべれないです」と断られるんですよ。だから言語の問題じゃない。ガイジンの顔を「コミュニケーションできない人」だと勘違いしてる人が多い。すごい偏見。日本人はそれを直さないと!
Q3. 生きた人脈のつくり方を知りたい
A 尻軽であれ
とにかく興味を持った会合やイベントには足を運んでみること。名刺交換をして、次につながりそうな人、面白いと思った人なら、その場でフェイスブックとか、もっと踏み込めたらLINEでつながってしまいます。人脈形成って脳のシナプスと同じで、手を伸ばした人に、手が伸びてくるんです。手を伸ばすためには、自分のビジョンや足りないものを常に理解しておいたほうがいいですね。
私はとにかくミーハーで、興味を持ったら“尻軽”になります。去年、広告関係の方からカンヌの広告祭が面白いと誘われて、飲んでいたので夜中の2時に「行く!」って言っちゃいまして(笑)。よく考えたらお金もかかるし、予定も空けなきゃいけないし、自分の尻軽度には時々あきれるのですが、カンヌライオンズでいろんなトークセッションを聞いて得た知識が、今の仕事に直結しています。
Q4. 数字に強い女になりたい!
A 数字の裏には人がいると想像する
数字は読み解くためにあり、翻弄(ほんろう)される必要はないと思うんです。出版界なら部数、SNSならページビューなど常に数字で評価されてしまいますが、その裏には人がいる。雑誌が売れないと思ったら、本屋やコンビニの雑誌コーナーではなく、みんなどこで時間を使ってるの? と考える。人がどういう行動をして、この数字が生まれるのか想像することで次のマーケティングにつながります。
Q5. アイデアがどんどん出てくるアタマの鍛え方
A 毎日何か“気になってみる”
街を歩いていると「おや?」って違和感を覚えることが多いんです。私の擬音で言うと「ほにょ?」なんですけど(笑)、通りをちょっと歩くだけで「ほにょ?」だらけ。例えば、ヘアサロンの前で読めない看板をじーっと見ている中国人に気づく。そこで、「これ、中国語で教えてあげたらビジネスになるかな?」って思いつきます。Aという「ほにょ?」とBという「ほにょ?」がつながっていく。その連鎖に気づくことがアイデアを生むには大事です。
「ほにょ?」をつくるためには、たくさんの情報を入れることです。街には情報がいっぱい。人間観察は誰でもできますが、ちゃんと意識して見るのと見ないのとでは、大きな隔たりがあります。アドバイスするとしたら、「毎日、何か一つ“気になる”」こと。そして、そこから想像することです。
お笑い芸人。1986年米国生まれ。IT企業役員のかたわら2014年10月にお笑い芸人デビューし、翌年2月には「R-1ぐらんぷり2015」決勝進出。日本テレビ「PON!」(月曜レギュラー)などで活躍中。
「Numero TOKYO」エディトリアル・ディレクター。「ViVi」や「GLAMOROUS」で数々のブームを生み出し、「VOGUE girl」などを経て現職。2014年、gumi-gumi設立。ドラマ「ファーストクラス」のファッション監修など幅広く活躍。