一日のうち多くの時間を費やすのが「仕事」。同じ働くなら楽しく働いた方がいいと思うものの、周りを見回すと仕事が楽しそうな人とそうでない人がいるのも事実です。どこで違いが出てくるのでしょうか?
「人間は人生の3分の1を睡眠に使っている」などと言いますが、働くことにだってかなりの時間を使っているもの。多くの時間を費やすからこそ、なるべくなら楽しく働きたいし、楽しんで働ける人の方が成果が上がりやすいということもあるはずです。
仕事を楽しめる人とそうではない人。この違いは一体どこからくるのでしょうか? 身の回りで、仕事を楽しんでいる人と楽しめない人について、働く女性たちに聞いてみました。
得意なこと、好きなことを仕事にしている
「仕事を好きかどうか、ではないでしょうか。無理に好きになろうとしてもやはり難しいから、仕事の中に好きな要素を見つけるか、好きなことに関わりのある仕事をするしかない。だましだましやっていても、楽しむのは難しいと思います」(27歳/IT)
「転職して職種や業種を変えてイキイキ働きだした人を何人も知っています。新卒だと志望通りの仕事に就くのが難しいこともあるけれど、『他に内定がもらえなかったから仕方なく働いている』というマインドでいると、やっぱり楽しめないのでは。とはいえ、転職を何度も繰り返して『あれじゃない、これじゃない』を繰り返している人がいるのも事実です。自分の好きなこと、得意なことは早いうちに見定めるべき」(35歳/人材)
その仕事が好きなことなら、つらさや努力も苦にならないというのはありそうです。また、最初は好きではなかったけれど、取り組むうちにその仕事が好きになったり、自分に向いていると気付くこともありますね。
プライベートと仕事のバランスをうまく取っている
「家族でも、友人でも、恋人でもいいのですが、支えてくれる人がいるかどうか。『1人で頑張るしかない』という気持ちだと、どうしても焦ったり息が詰まったりしてしまい、楽しもうという姿勢にはなりづらいと思います」(26歳/放送)
「20代の頃、『働けば働くほど稼げる』と思ったので、ほとんど休まず働いていました。でも30歳を過ぎたあたりから、自分にも人にも厳しくなりすぎている自分に気付いて。インプットもしないと心が枯れてギスギスすると分かったので、忙しくてもプライベートの時間をきちんと取るようになりました。そうしたら次第に仕事が楽に、楽しくなってきました」(34歳/フリーデザイナー)
仕事は大切ですが、プライベートも大切。どちらかを頑張りすぎてしまうと、バランスが崩れてどちらもうまくいかなくなる場合もあるでしょう。バランスをとることを心がけながら頑張りたいですね。
周囲の人や環境に恵まれている
「周囲に仕事が楽しくない人が多いと、集まって話しているときに会話が仕事の愚痴ばかりになってしまいがち。『仕事=楽しくない』という意識がすりこまれてしまいます」(25歳/出版)
「部下が達成したことをほめるのではなく、ミスしたことばかりを指摘する上司がいる環境では、『失敗できない』雰囲気が蔓延して、のびのびと仕事を楽しむことができません。逆に、ほめるのと叱るのバランスがうまい上司の下で働いている人は、楽しそうです」(33歳/メーカー)
周囲の環境により仕事の楽しさは大きく変わります。すでにできあがっている環境を自分の力だけで変えることは難しいかもしれませんが、できるだけ良い環境にして楽しく働きたいですね。また、自分が上司の立場であれば、部下がのびのびと仕事に取り組める、仕事の面白さに気付ける環境作りも大切と言えそうです。
ノルマとの付き合い方を知っている
「現状だけで判断しないこと。ノルマがあるような仕事だと特に、今の成績にばかり目を向けてしまいます。でも、目先の数字だけでなく、長期のスパンで考えられる人はクヨクヨ落ち込まないし仕事を楽しめていると思います」(28歳/広告)
「会社で設定された数値目標を過剰に『ノルマを課せられている』と感じている人は、達成できない状態にストレスを感じて、仕事を楽しめていないようです。また、過剰なストレッチ目標を立てて、いつも達成できない組織は、若手社員が軒並み離脱する傾向です。『達成するという成功体験』をいつまでたっても得られないためだと思います」(37歳/資源)
ノルマや目標があると頑張れるタイプの人もいますが、逆にそれを重荷に感じてしまう人も。ノルマとうまく付き合えている人を参考にするとよさそうです。
仕事を楽しむ工夫をしている
「周りで仕事を楽しんでいる印象がある人は、いつも笑顔で、楽しんでいることを周りにアピールしています。自分で自分を“洗脳”するようなことも、やはり多少は必要なのでは」(26歳/IT)
「精神的にも肉体的にもつらい、ただ数字をひたすらチェックするだけの作業を、楽しくした上司がいました。『○○(その仕事を指す社内用語)するときはみんなで一緒にやる』『○○のことは「○○パーティ」、普段より大変な作業だと「○○カーニバル」と呼ぶ』『終わったら(3時間くらいかかる)みんなで拍手&褒めあう』というルールを作り実行していました。楽しくない仕事でも『この作業嫌い』と言いながらダラダラやるより、工夫して少しでも気分を上げられると楽しめるのでは、と思いました」(30歳/広告)
「PRなどの企画を考えるときは、1人でデスクの前で考えず、数人でお菓子を食べながらネタ会議をします。私はアイディアがポンポン出るほうではないのですが、こうすると早く終わるし、面白い企画が出ます。仕事をゲーム化すると楽しめます」(31歳/化粧品)
楽しくないことは楽しくなるように工夫する。それも仕事をスムーズに行う方法ですね。嫌な仕事も楽しい仕事に変化させることでストレスが軽減し、より良い仕事の成果がだせると思います。
お金のためと割り切る、周りの協力を得る
その他に、こんな意見もありました。
「お金が好きかどうか、というのもけっこう関係している気がします。多少しんどいことがあっても、『対価としてお金をもらっているんだから』と耐えられる人は、あまりツラいと感じていないのでは。結果として仕事を楽しんでいると言えると思います」(26歳/教育)
「今まで出会った人の中だと、うまく周りの協力を得ることができる人は仕事を楽しんでいて、反対に抱え込む人は追われてしまって仕事を楽しめていない傾向がありますね」(40歳/化学)
仕事には対価が発生します。お金も立派な仕事に対するモチベーションの1つ。また、周囲に協力を求められる人は自分の仕事と人に頼む仕事のバランスをうまくとり、メリハリをつけて楽しく働けそうです。
1日のうちでも多くの時間を費やす仕事だからこそ、楽しく働くことができれば充実した日々が送れるはずです。あなたの周囲には、「楽しそうに仕事をしている人」がたくさんいますか?
兵庫県神戸市在住のライター。1984年11月5日生まれ。ライターとは無関係の短大へ進学、一般企業で5年ほど勤めた後にライターへ転身。女性向けウェブ媒体で恋愛コラムを中心に執筆中。